コロナ禍による子供の栄養不良 来年末までに約17万人死亡

国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンは2月24日、オンラインイベントを開き、コロナ禍による子供の栄養不良の問題を取り上げた。問題解決に取り組む世界各地のステークホルダーの代表者らが意見交換した。

コロナ禍の子供の栄養不良への影響を報告するリチャーズ栄養部長(Zoomで取材)

セーブ・ザ・チルドレンが昨年12月に公表した報告書「栄養の危機 (Nutrition Critical)」では、コロナ禍によって、紛争や飢餓で苦しむ地域を中心に子供の栄養状態の悪化が進み、2022年末までに5歳未満の子供16万8000人が栄養不良で亡くなり、1000万人以上の子供が消耗症や発育阻害に陥ると警鐘を鳴らしている。

また、学校の閉鎖によって、収入減に苦しむ家庭の負担はさらに多くなるとし、世界的に学校閉鎖がピークだった20年4月には、3億6900万人の子供が給食を提供される機会を奪われたとも指摘した。

同イベントで報告書の内容を解説したセーブ・ザ・チルドレンUKのキャサリン・リチャーズ栄養部長は「栄養不良の根絶は世界経済にとっても毎年何兆ドルもの節約になり、何百万という子供の命を救うことになる。この20年間、大きく進展したが、依然として未完成であり不平等でもある。2020年に入っても5歳未満の3人に1人は栄養不良か消耗症、発育不良あるいは過体重だ。行動を起こさなければ壊滅的になるだろう」と危機感を示し、特に紛争や飢餓の起きている地域で子供の栄養不良が深刻化している現状や、貧困層への影響、母乳育児の重要性などを訴えた。

その上で、今年12月には、日本政府主催の国際会議「東京栄養サミット2021」が開催される予定であることなどを念頭に「世界が一つになれば、われわれは今ここで脅威を止めることができる。そしてより良い復興を実行することができる。全ての子供が栄養を摂取し、発育する権利を持ち、潜在的能力をフルに発揮できるチャンスが与えられていることが、われわれの目指すべき世界だ。今年は重要な年になる。複数の栄養改善のための政治的なアジェンダが目白押しだからだ。世界中のリーダーがコミットして、全世界で永遠に栄養不良を根絶することが重要だ」と、国際社会が連携して重点的に取り組んでいく必要性を呼び掛けた。


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