官民連携で「つながり」支援を 孤独・孤立問題で提言

コロナ禍で深刻化している社会的な孤独・孤立問題について、子供の貧困や自殺対策などに取り組む民間団体などから政府がヒアリングを行う緊急フォーラムが2月25日、首相官邸で開かれた。出席者からは「官民問わず受け皿となるネットワークが必要」「『つながり』をキーワードに、政府にコーディネーター役として推進する役割を果たしてほしい」などと意見や提言が相次ぎ、菅義偉首相は、近く関係省庁による連絡調整会議を設置する方針を明らかにした。

孤独・孤立問題を巡っては、コロナ禍で社会的な不安が高まり深刻化しているとして、菅首相が今月12日に坂本哲志地方創生相を「孤独・孤立問題対策相」に任命、19日に内閣府に「孤独・孤立対策担当室」が設置された。フォーラムは、孤独・孤立問題の実態を把握しようと開かれ、NPOの代表や個人合わせて10人からヒアリングを行った。

この中で、ホームレス支援などに取り組むNPO法人「抱樸(ほうぼく)」の奥田知志理事長は「これまではいかに問題を解決するかが重要だったが、これからは解決できなくても1人にしないためのつながる支援、伴奏型の支援が必要となる。孤立している人とどうつながり、相談支援の仕組みを作っていくか、官民問わず受け皿となるネットワーク作りが大切だ」と強調した。

東京・豊島区で子供たちの見守り活動に取り組むNPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の栗林知絵子理事長は「コロナによる突然の休校で給食がないことに困っているとの声があり、弁当の配布などに取り組みながら困りごとを聞いている。地域には力の余っている高齢者などもいるので、一緒に手を差し伸べてコロナ後のネットワークづくりを進めたい」と語った。

NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」の清水康之代表は「2010年以降、自殺は減少傾向だったが昨年は増加し、今年は重要な年になる。現場の活動と政治の連携で解決に導けることはあるので、命を守る相談窓口を作っていきたい。菅首相には出口戦略として、市町村長に対しても命を支える取り組みを呼び掛けてほしい」と提言した。

NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の湯浅誠理事長は「東日本大震災では『絆』が合言葉となったが、今回は『つながり』だと思う。コロナ禍で物理的に距離を取らないといけない状況だが、すでにつながり続ける力を発揮している人々はおり、政府にはそうした動きを推進するコーディネーター役を果たしてほしい」と要望した。

こうした意見や提言を受けて菅首相は最後に「改めて孤独を感じ社会的に孤立している方々の厳しい状況を受け止めた。コロナ禍で厳しい状況にある今だからこそ、官民や民間同士が垣根を越えてつながりを深め、社会全体で手を差し伸べていくことが必要と思う。孤立する方々に支援が行き届くよう、政府としてもしっかり取り組みたい」と述べ、関係省庁による連絡調整会議を立ち上げることを明らかにした。

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