3割の子供がお口ぽかん 日本初の大規模疫学調査で判明

日本の子供の3割が「お口ぽかん」――。新潟大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野の齊藤一誠准教授らの研究グループはこのほど、全国的な大規模疫学調査によって、日本で初めて、日常的に口が開いたままの状態(口唇閉鎖不全)の子供がどれくらいいるかを明らかにした。地域差は見られず、年齢と共に増加傾向にあった。

年齢ごとの「お口ぽかん」の割合(齊藤准教授提供のデータを基に作成)

子育ての場面で「お口ぽかん」と呼ばれることの多い口唇閉鎖不全は、これまでの研究で唇や顔の表情筋の弛緩(しかん)と過緊張、口呼吸などと関連していることが明らかとなっており、子供の口の発達に悪影響を及ぼすことが指摘されていたものの、日本国内で口唇閉鎖不全の有病率を調査する大規模な調査は行われていなかった。

研究グループでは、小児歯科を専門に診療している全国66カ所の歯科医院で定期的に受診している3~12歳の子供3399人を対象に、保護者に対して、日常の健康状態や生活習慣に関するアンケートを行った。

その結果、日本の子供の30.7%が口唇閉鎖不全であり、年齢と共に有病率は増加する傾向にあることが分かった。一方で、有病率に地域差は見られなかった。

また、アンケートからは▽唇にしまりがない▽口を開けて寝る▽口がよく渇く▽上唇と下唇の間から歯が見える▽1分以上閉口できる▽クチャクチャ音を立てて食べる▽睡眠中鼻づまり▽口を閉じて食べられる▽出っ歯▽日中鼻づまり▽昼、口臭あり▽朝、口臭あり――の項目が口唇閉鎖不全に関連していた。このことから、口唇閉鎖不全は顎顔面の形態や位置だけでなく、口呼吸やアレルギー性鼻炎などが関連していることが示唆された。

子供の口唇閉鎖不全に対する注意点について、齊藤准教授は「口の周囲を取り巻く表情筋をよく動かす必要がある。表情筋を動かす機会が少ないと、口腔機能の発達が遅れることもあり得るので、口の体操などを取り入れてほしい。コロナへの感染防止策として、学校では常時マスクを使用していると思われる。マスクは『お口ぽかん』を悪化させる可能性があり、子供の表情がマスクで見えなくなっているので、コミュニケーションツールとしての表情筋を動かさないような環境になってきている点は最近の懸念材料だ」と指摘した。

この研究成果は1月21日付の国際学術雑誌『Environmental Health and Preventive Medicine』に掲載された。

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