高校修業年限「3年以上」に 教育再生WGで知事会提言

ポストコロナ期のニューノーマル(新たな日常)における、新たな学びの在り方を検討している政府の教育再生実行会議・初等中等教育ワーキング・グループ(WG)は3月2日、第6回会合を開き、ICTの本格的な導入や高校の学びの在り方などを巡り議論を交わした。この中で全国知事会の「これからの高等学校教育の在り方研究会」の鈴木寛座長(元文科副大臣)から、修業年限が3年と定められている全日制高校について、生徒の学習状況によって適切な期間が保障されるよう、学校教育法を改正して「3年以上」とするよう提言された。

文科省で開かれた教育再生実行会議・初等中等教育WG

2日のWGの会合は、これまでの義務教育段階の学びを中心に行われてきた議論を踏まえ、主にICTの本格的導入に向けた課題や高校の学びの在り方を中心に議論が交わされた。

会議後に会見した内閣官房教育再生実行会議担当室の池田貴城(たかくに)室長によると、会議でははじめに田村学園理事長の田村嘉浩委員から、生徒全員に1人1台端末を配布して活用している多摩大学目黒中学高等学校の取り組みが紹介された。

田村委員は、コロナ禍で休校中に保護者や生徒との連絡を全面的にオンラインで行ったり、よりビジュアルで分かりやすい授業ができたりと、メリットはたくさんあると指摘。一方で課題として、「個別最適な学びから子供たちのモチベーションを高めて主体的な学びにつなげるのに、ICTには限界があるのではないか」などと意見を述べた。

また、品川女子学院理事長の漆紫穂子委員からは、コロナ禍で積極的にオンライン化に取り組む中で、朝のホームルームなどを通して子供と教員との信頼確保や、生徒のメンタル面のケアに努めたことが報告された。漆委員は「オンラインでどんどん伸びる子は少数なので、やはりメインの流れはトークをしての対面でということになるのではないか」と強調した。

一方、全国知事会の「これからの高等学校教育の在り方研究会」の鈴木座長からは、デジタル社会の進展や人口減少などが進む中で、多様で柔軟な教育活動を展開する必要があり、生徒たちに必要な資質・能力を育成することができるよう「国へ求めるべき事項」が提言された。

この中には、生徒の学習状況などによって適切な修業年限が保障されるよう、学校教育法の改正の要望が盛り込まれた。現行の法律では、高校の修業年限は、全日制の課程は3年、定時制と通信制の課程は3年以上と定められているが、全ての課程を「3年以上」とするよう求めている。また、高校生が大学入学前に大学の高度な授業を受講し、入学後、大学の単位に組み入れることを可能にするなど、高校教育と大学教育の連携を一層促進することも盛り込まれた。

ワーキングループの佃和夫主査は、これまでのWGの議論や2日の会議の意見・提言も踏まえて、今後、①ニューノーマルにおける初中教育の在り方②教師の質向上も含めた新たな学びに対応した指導体制や環境整備③教育データの収集分析利活用――の3つを柱に、今年5月の取りまとめに向けて今後、議論を進めたいとの考えを示した。

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