コロナ禍で保護者が抱く子供の学校生活への不安が高まっている――。ソニー生命保険は3月2日、保護者を対象に実施した「子どもの教育資金に関する調査」の結果を公表した。コロナ禍の影響で家庭の経済状況が悪化し、教育資金の備えや保護者の教育熱など、さまざまな面で教育格差が懸念される結果となった。

調査結果によると、習い事など学校外の教育費の支出状況は全体では月当たり1万3267円で、昨年行った前回調査と比べて1853円減少した。就学段階別でみると▽未就学児 7797円▽小学生 1万4760円▽中高生 2万569円▽大学生など 9881円――で、いずれも前回調査と比べて減少した。
コロナ禍の影響で、子供の自学自習時間が「非常に増加した」または「やや増加した」と答えた保護者の合計(増加した)は52.2%なのに対し、「非常に減少した」または「やや減少した」(減少した)は47.8%で、ほぼ二分された。また、子供の進路の選択肢が増加した割合は32.7%だったのに対して、減少したと回答したのは67.3%となった。
保護者の子供への教育熱をみると、上昇したと回答したのは44.1%、低下したと答えたのは55.9%。教育資金としての備えが増加したのは38.6%で、減少したのは61.4%だった。減少したと答えた人の割合は、家計が悪化した人では71.4%を占め、家計が改善した人の31.7%よりも顕著に高い割合を示した。
子供の学校生活に対する不安について聞くと、不安を感じると答えた割合は74.0%で、前回調査の54.7%と比べて大幅に増加した。特に、大学生の子供がいる保護者や未就学児のいる保護者で比較的高くなった。
今回で8回目となる同調査は、今年1月18~20日に、大学生以下の子供のいる20歳以上の男女500人ずつに対して、インターネットで実施した。
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