心血管代謝異常リスク 肥満の中学生は2.9倍、新潟大

新潟大学は3月2日、新潟県阿賀野市との共同研究によって、大人の生活習慣病傾向に相当する心血管代謝異常リスクの可能性が、肥満の中学生では2.9倍にまで上昇することが示されたと発表した。調査では、肥満だけでなく、標準体重と肥満の間にいる過体重の子供のリスクも明らかとなった。

市民の健康寿命を伸ばす目的で、同市では数年前から市内の中学2年生を対象に、中学校での健康診断の一環として全国的にも珍しい採血や血圧検査を実施してきた。その2010~15年の6年間に蓄積された2241人のデータを、同学大学院医歯学総合研究科健康寿命延伸・生活習慣病予防治療医学講座の藤原和哉特任准教授らが分析。

身長と体重からBMIを算出し、やせ、標準体重、軽度過体重、過体重、肥満の5つのカテゴリーに分類して分析したところ、標準体重の中学生と比べて、過体重に該当する中学生は2.4倍、肥満に該当する中学生は2.9倍、血圧やコレステロール、血糖などの合算値が危険域にある心血管代謝異常リスクが高いことが分かった。

さらに、軽度過体重以上の中学生は、標準体重の中学生と比べ血圧が高い値を示す可能性が1.4~2.4倍高かった。

男女別で見ると、特に女子では標準体重の場合と比べて血圧が高い値を示す可能性は、軽度過体重で1.6倍、過体重で1.9倍、肥満で2.7倍と有意に高くなった。

藤原特任准教授は「肥満までいかないまでも過体重にある子供に対しては、朝食を抜かないようにしたり、菓子や清涼飲料水の摂取を控えたりするなどの指導が重要になる。1日当たり、野菜は350グラム以上の摂取を心掛け、食塩は男子で8グラム未満、女子で7グラム未満に抑えることもポイントだ」と、学校や家庭での指導について述べた。

また、「(同市では)健康診断に合わせて子供の栄養調査も実施し、保護者と子供に改善点をフィードバックしたり、養護教諭らが保護者に解説したりする場を設けている。血液検査などは学校にとって負担になるにもかかわらず、先見の明を持って取り組んできたからこそ、今回の成果につながった」とも話し、同市での継続的な取り組みを高く評価した。

同学では現在、同市と共同で子供のスマートフォンの利用時間と心身の健康の関連性も調査しており、同市以外の協力校も募集しているという。

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