教員免許状失効、官報掲載漏れ61件 二次被害防ぐ意図も

文科省は3月5日、懲戒免職処分などによる教員免許の失効情報が官報に掲載されないままとなっていた事案が、2010~19年度の10年間に10都道府県で61件あったと明らかにした。そのうち、わいせつ行為による懲戒免職は47件。今月3月時点では全て公告されており、同省は「官報掲載漏れがないよう、今後も引き続き周知徹底を努める」としている。

教員免許の失効情報の官報掲載漏れについて説明する萩生田文科相

官報掲載漏れがあった都道府県は▽北海道▽宮城県▽千葉県▽東京都▽岐阜県▽大阪府▽広島県▽佐賀県▽熊本県▽沖縄県――の10都道府県。同省は昨年11月、各都道府県教委に対し、官報公告の手続きを徹底するよう事務連絡を出し、各県教委で官報公告の手続きの確認が行われていた。

都道府県や政令市教委などが教員の採用にあたり、同省は官報に掲載された免許状の失効情報を検索できる「官報情報検索ツール」を提供。わいせつ教員の再任対策が求められる中、今年2月には同ツールの検索可能期間を延長し、過去40年間の失効情報を検索できるよう改良が行われた。

こうした対応を踏まえ、萩生田光一文科相は5日の閣議後会見で「官報に(失効情報を)載せてくれないと全く意味がない。社会全体で子供たちをしっかり守っていくという思いを共有しながら、各教育委員会がしっかりルール通りの対応をしていただくことを期待する」と話した。

また、官報の掲載漏れについて萩生田文科相は「事務的に記載漏れの自治体もあったが、懲戒免職とはしたものの官報記載を急ぐと、結果として多くの人たちに知られて被害者が特定され、二次的な被害が起こるのではないかという配慮もあった」と述べた。その上で「だからといって何年もそのまま放置しておくのは、ちょっと違うのではないか。そこはぜひ問題意識を共有していただきたい」と求めた。

教員免許法では、懲戒免職処分となり免許状が失効した場合、速やかに管理者に返納することや、免許状の種類・失効の事由・氏名・本籍地を官報に公告すること、さらにその旨を所轄庁と免許状の授与権者に通知することを定めている。

わいせつ行為を行った教員に対して文科省は、再び教壇に立たせないための教員免許法の改正を検討していたが、内閣法制局との調整が難航し、今国会での法案提出を見送った。ただ今月1日、自民・公明両党による「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム」の初会合が開かれるなど、議論が続けられている。

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