隠岐島前高の生徒がゼミで起業に挑戦 先輩がアドバイス

地域と連携した探究型学習や県外から生徒を募集する「島留学」などの取り組みで知られる島根県立隠岐島前高校の生徒が、起業に挑戦――。島前ふるさと魅力化財団が推進する隠岐島前教育魅力化プロジェクトの一環として、同校の生徒が通う公立塾「隠岐國学習センター」で、スタートアップの支援を行うガイアックスの「起業ゼミ」がこのほどスタートした。

起業した先輩としてアドバイスをする前田さん(Zoomで取材)

同社の起業ゼミは今回で3校目。参加する生徒はゼミを通じて事業プランを練り上げ、最終回でプレゼンテーションをする。同社の社員によってビジネスとして成り立つと評価されれば、実際に事業化に向けた投資が行われる。

第1回目のゼミでは、同校の卒業生で、在学中に起業した前田陽汰さんがオンラインで登場。同校で地域活性化を学ぶうちに、違和感を覚え、限界集落を再生ではなく「終活」の視点で語り合う事業を起こしたことを説明し、「投資を受けて起業するということは、お金に縛られる危険もあるということだ。そうしたリスクも学びながら、自分の問いを深めるきっかけにしてもらえたら」と後輩にアドバイスした。

その後、生徒らはアイデアの出し方や、それを事業化していくためのフレームなどを学び、仮説を検証するための顧客インタビューに挑戦した。

島留学で同校に入学した1年生の登坂芽生(めい)さんは「手伝っている隣の島のカフェの人が、別の島でも商品を売りたいと話していた。島から島へ商品を届けるようなことができないか」とアイデアを温めていた。

小さいころから起業を夢見ていたという1年生の五十島麟信(りんと)さんは「魚釣りが上手な友達がいて、釣った魚を個人で売買できるようなことができないかと思っている」と、島民ならではの視点で発想を広げていた。

隠岐島前教育魅力化プロジェクトのプロジェクトリーダーを務める大野佳祐さんは「これからは社会に出ていく上で起業家精神が求められる。事業投資のプロが関わることで、生徒が考える地域の課題解決策に事業価値としての視点が加わる。もしこれをきっかけに起業したいという生徒が出てくれば、資金面も含めて支援できるような仕組みも考えたい」と期待を寄せる。

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