小児がんと診断された高校生は6割超が休学 初の実態調査

国立がん研究センターはこのほど、がん患者の診療体験や療養生活の実態を明らかにする全国調査の一環で、初めて小児がん患者を対象とした調査報告書を公表した。小児がんと診断された時点で高校生だった場合、休学が6割を超え、小中学校よりも突出して高い割合であることが明らかとなった。何らかの学習支援についても、小学生の9割、中学生の8割弱が受けられたと回答したのに対し、高校生では2割以下だった。

校種ごとの転校、休学、退学などの状況

報告書によると、小児がんと診断された時点で、小学校から大学までのいずれかの学校に在籍していた人で、転校や休学、退学を経験したのは87.5%を占めた。校種別にみると、小学校では▽転校 81.1%▽休学 16.5%▽退学 0.5%。中学校では▽転校 59.3%▽休学 36.4%▽退学 0.8%。高校では▽転校 17.5%▽休学 61.3%▽退学 8.8%――で、小中学校に比べ、高校では休学の割合が高くなった。

また、治療中にICTを活用した遠隔授業や、病院に設置された特別支援学級で授業を受けたなどの学習支援については、75.9%が何らかの利用をしたと回答。その内訳(複数回答)は▽原籍校の教員が病院や自宅などに来て授業を受けた 3.3%▽病院内などに設置された特別支援学級(病室への訪問を含む)で授業を受けた 69.6%▽ICT機器などを活用し、遠隔で授業を受けた 2.1%▽学習支援員やボランティアによる支援などで対面での学習支援を受けた 4.2%▽原籍校で録画された授業の視聴や補習を受けた 4.9%▽家庭教師などを病院へ派遣し、学習した 0.5%――だった。

校種別にみると、ここでも高校生で「利用したものはない」という回答が61.1%と、他よりも高い割合を示した。

これらの結果について、全国各地の病気により長期入院している子供の学習支援に取り組んでいる「難病学生患者を支援する会」事務局の久保田一男さんは「小児がんの高校生の学びの問題にスポットが当てられた、大変貴重なデータだ。ただ、実態としてはもっと多いのではないかと感じている。国は高校生の学習支援を行うモデル事業を始めているが、実際にそれに手を挙げるかどうかは地方自治体に委ねられている。がんの発生率は全国変わらないのに、住んでいる地域によって教育格差がある状況だ」と指摘。長期入院をしている子供たちにオンライン授業を提供するなどして、学びの保障をすべきだと強調した。

同調査は、2014年と16年に18歳以下で小児がんと診断された人を抽出し、その家族を対象に療養体験について質問した。回答数は1221件。調査を委託した厚労省では、がん対策基本法に基づく第3期がん対策推進基本計画の中間評価として、この調査結果を役立てる方針。


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