観点別学習評価は当面見送り 大学入試改革で調査書様式案

大学入試改革の一環として新たな評価方式や調査書の在り方について審議する、文科省の「大学入学者選抜における多面的な評価の在り方に関する協力者会議」は3月15日、オンラインで開催した第11回会合で審議のまとめ案を示し、その中で調査書の改訂様式案を明らかにした。様式案では、新高等学校指導要録で示された調査書の参考様式で新たに盛り込まれた、「各教科・科目等の学習の記録」内の「観点別学習状況」欄については直ちに設けることはせず、当面見送るとする判断を示した。さらに、その他の「特別活動の記録」や「指導上参考となる諸事項」の欄では、箇条書きや〇印の記入を取り入れ、これまでの“文章記述ファースト”を見直す方針を打ち出した。

審議のまとめ案では、各教科・科目の観点別学習状況の評価について、大学入試での活用方法が確立されていないことなどを踏まえ、「慎重な対応が求められる」と強調。その上で「直ちに設けることはせず、今後の高等学校における観点別学習状況の評価の取組の浸透や確立の状況、大学における観点別学習状況の活用方法の検討の進展等を見極めつつ、条件が整い次第可能な限り早い段階で調査書に項目を設けることを目指し、引き続き高等学校・大学関係者において検討を行うこととする」として、当面見送る方向を示した。

今後の検討に当たっては、教育委員会や高校、大学などが協働し、大学入試での活用方法について実証研究に取り組むなど、その成果を普及していく必要性を指摘した。

また、備考欄の活用方法についても取り上げた。これまではカリキュラム・ポリシーなどを踏まえ、各大学が志願者に対し、特定の分野で特に優れた学習成果を上げたことについての記載を求めることができた。しかし、「大学や学部ごとに異なる内容を求められるのは相当の負担である」といった意見を踏まえ、調査書以外の資料で、志願者本人から直接大学に提出する方式を提案した。

さらに備考欄を巡っては、現行では大学が高校側に記載を求めることができる、▽「調査書の学習成績概評がAに属する生徒のうち、人物、学力ともに特に優秀な者については、『学習成績概評』にⒶと標示するよう希望することができ、この場合に『備考』にその理由を記載させる」▽「当該大学の学部等が求める能力・適性等について、高等学校長が特に推薦できる生徒については、その旨を『備考』に記載するよう希望することができる」――の2点を廃止し、必要に応じて推薦書などで求めるよう求めた。

委員からは、観点別学習状況の評価を巡って一貫性を持った対応を求める声や、備考欄について高校側、大学側、それぞれの現場に即した運用を改めて考えるよう意見が相次いだ。

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