教員免許更新制の効果を疑問視 規制改革推進会議

デジタル化時代に対応した人材育成などを議論している政府の規制改革推進会議・雇用・人づくりワーキンググループ(座長:大槻奈那・マネックス証券執行役員、名古屋商科大大学院教授)は3月15日、第7回会合を開き、教員人材の多様化や、質の確保・向上に向けた規制・制度の見直しについて議論した。内閣府規制改革推進室によれば、教員免許更新制について委員から「最新の知識技能を身に付けるという趣旨ならば、10年間という有効期間は長すぎる」と効果を疑問視する声が出され、出席した文科省の担当官に対し、教員免許更新制の趣旨に照らして制度設計が適切なのか、効果を検証しつつ見直しを進めるよう求めた。

会合では、品川女子学院(東京都品川区)の漆紫穂子理事長が教員採用の難しさについて報告。企業との採用競争の激化を踏まえた教育実習や教員採用試験の在り方の見直しとともに、教員免許更新制が教員免許維持者数に与える影響を検証すべきだと指摘した。

委員からは「最新の知識を身に付けるという趣旨で教員免許更新制が設けられたのならば、10年という長さで適切なアップデートができるのか。できないのなら、アップデートに即したタイミングにする、別の制度にするといった見直しが必要ではないか」、「オンライン研修を活用して、知見を獲得する仕組みにしていくべきではないか」など、現状の制度が本来、求められている成果を上げる仕組みになっているかを疑問視する声が出された。

会合ではまた、特別免許状や教員以外も含めた外部人材の活用による人材確保・多様化の方策についても議論。漆理事長は特別免許状の授与件数が全国で毎年200件程度と少ないことを踏まえ、申請から取得までのスケジュールを短くすること、現行では年3回程度の時期が定められている申請を常時可能にすることなどを求めた。

また、教員免許状を持たない外部人材の活用について、「(外部人材と教員を組み合わせた)TT(Team Teaching)では人件費が倍になる。外部人材が単独で授業を担当できる仕組みが必要」とした。また、同校の生徒を対象とした調査で、部活動に熱心な生徒ほどコミュニケーション力や自律性が高いという結果が出たことを踏まえ、教員の負担を軽減しつつ部活動を維持するためには、外部人材の活用が一つのポイントになると指摘した。

委員からは「企業人材が兼業・副業として学校現場に入る機会を増やすことが望ましい」など、学校と社会との間の交流をより活発化するべきだとする意見があった。また「当面の課題と中長期的な課題のそれぞれについて、ロードマップを作成して進めていく必要がある」と指摘する声もあった。

内閣府規制改革推進室によれば、会合に出席した文科省の担当官は今後の具体的な方向性については明言せず、同省が2月に取りまとめた「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」に沿って既存の制度の改善を進めつつ、中長期的に実効性ある方策を検討すると説明。中教審でも、萩生田光一文科相が教員免許更新制の見直しを含めた養成・採用・研修の在り方について12日に諮問を行ったばかりだとして、「中教審での議論も踏まえ、今後の検討を進める」と応じた。

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