わいせつ教員対策、免許再交付を拒否できる法整備検討 与党WT

わいせつ行為を行った教員を再び教壇に立たせないための法整備を検討している「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム(WT)」は3月15日、3回目の会合を開き、刑法の専門家と犯罪被害者の支援に取り組む弁護士からヒアリングを行った。記者会見したWT共同座長の馳浩衆院議員(元文科相、自民)は「免許の授与権者に(わいせつ教員への免許付与を認めない)裁量権を認める形で教員免許法の改正や特措法で対応できるのではないか」と述べ、教育委員会などの免許授与権者に裁量権を持たせることで過去に児童生徒などにわいせつ行為を行った教員への免許再交付を拒否できるようにする法整備に向け、さらに検討を進める考えを示した。

与党わいせつ教員根絶立法検討WTであいさつする馳浩衆院議員(元文科相、中央)

15日のWTでは、和田俊憲・東大教授(刑法)と犯罪被害者の支援などに取り組む上谷さくら弁護士からヒアリングを行った。終了後に記者会見したWT共同座長の馳衆院議員と浮島智子衆院議員(元文科副大臣、公明)は、ヒアリングを通して、文科省が昨年12月に法改正を見送った根拠の1つになった、刑法上のいわゆる「刑の消滅」について、犯罪の事実そのものや被害感情が消滅するわけでなく、この条文で教員免許の授与権者の裁量権が縛られるものではないとの感触を得た、との認識を示した。

その上で、馳共同座長は「『刑の消滅』を根拠に教員免許の取り消しができないということにはならないと考えられる。教育委員会など免許の授与権者に免許付与や採用についての裁量権を認める形で、教員免許法の改正や特措法で対応できるのではないか」と述べ、免許授与権者に裁量権を認める形で、わいせつ行為で懲戒免職になった教員などへの教員免許の再交付を拒否できるように、法整備を進める考えを示した。今後、具体的な条文作りに向けて作業を進めたいとしている。

浮島共同座長は「教員免許が、医師や弁護士のように、授与権者が再交付を判断できる形になっていないのがおかしなところだった。教員についてもしっかりグリップできるようになることが必要だ」と強調した。

わいせつ教員対策を巡っては、3月12日の衆院文科委の質疑の中で馳議員が「わいせつ行為により懲戒免職となった者に免許を再交付しないという裁量権が授与権者に必要と思うがどう考えるか」と質問し、文科省の義本博司・総合教育政策局長は「(教員免許の授与権者への)裁量権の付与は一般論として排除されないと理解しているが、制度設計にあたって授与権者による裁量権の濫用(らんよう)に当たらないか、さらに他の制度との均衡の合理性、運用する場合の実効性の確保など総合的に勘案して判断する必要があると考える」と答弁していた。

いわゆる「刑の消滅」は、刑法34条の2の「禁固以上の刑の執行を終えて10年を経過したときは刑の言い渡しは効力を失う」との規定に基づくもの。萩生田光一文科相は昨年12月25日の記者会見で、わいせつ教員対策として教員免許法改正案の今国会提出の見送りを表明した際、内閣法制局との調整の結果、「現行法上、例えば、殺人罪などの重罪を犯し、懲役刑に処せられた場合でも、刑の執行後10年で刑が消滅することなどとの均衡上、法制的に取ることができなかった」と説明していた。

文科省は新たなわいせつ教員対策として、先月26日、都道府県・指定都市教委などが教員の採用にあたり、過去の懲戒免職処分歴を過去40年間まで検索して確認することができる新たな「官報情報検索ツール」を各教委や学校などに提供し運用を始めている。

また、現在、官報には懲戒免職処分の理由が詳しく記載されないためわいせつ行為による処分かどうかが分からないことから、文科省令である教員免許法施行規則に懲戒免職処分の際に処分理由を明記する規定を新設し、わいせつ行為による処分だったことが分かるように制度を改正。今年4月1日の施行を目指している。

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