東京型教育モデルの実践目指す 新教育施策大綱を了承

東京都は3月16日までに、今年度4回目となる総合教育会議を開き、教育施策の理念や根本方針を定めた教育施策大綱を了承した。小池百合子都知事の下での教育施策大綱の策定は2度目で、ICTの利活用による個別最適な学びを推進する「東京型教育モデル」を展開することを掲げた。

東京型教育モデルへの意欲を語る小池都知事

総合教育会議で小池都知事は「新型コロナで学校生活はかつてない経験を重ねている。大きな影響を受け、課題も明らかになっている。教育のデジタル化はその第一の例だ。これを新たな施策として、東京型教育モデルとしての確立を、大胆かつスピード感を持って進めていかなければならない。子供たちに寄り添いながら、『伸びる』『育つ』をサポートしていく。そして、誰一人取り残さない教育の実現が、人が輝く東京の実現につながる」とあいさつし、ICTを活用した個別最適な学びの実現を目指していく考えを示した。

この日示された大綱の最終案では、都民から寄せられたパブリックコメントや児童生徒からのヒアリングを反映させ、骨子案から子供たちの自己肯定感を高める取り組みや、きめ細かな指導による基礎基本の定着などの記載を充実。社会のDX化への対応や、新型コロナウイルスで疲弊した社会と経済、人の心を回復し、持続可能な生活を実現するための「サステナブル・リカバリー(持続可能な回復)」の視点を取り入れた。

また、未来の東京に生きる子供像を「自らの個性や能力を伸ばし、さまざまな困難を乗り越え、人生を切り開いていくことができる」「他者への共感や思いやりを持つとともに、自己を確立し、多様な人々が共に生きる社会の実現に寄与する」と定め、子供の意欲を引き出す学び、成長を社会全体で支え、学び続ける力を育む学び、ICTの活用により一人一人の力を最大限に伸ばす学び――の3つの学びを基軸として、新た学びを創出する「東京型教育モデル」の実践を目指すとした。

さらに東京型教育モデルの実践における重要事項として、東京都版GIGAスクール構想である「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」やSTEAM教育、英語教育の推進、教員の働き方改革の取り組みなどを明記した。

最終案について、小児科医の秋山千枝子委員は「コロナ禍の後の教育は元に戻すことではなく、新たに想像するものでなければならない。子供への意見の聞き取りの中に、『型にはまらない柔軟な教育も必要』という意見があった。子供たちもこれまでと異なる教育を受け入れ、望んでいるように思う」と述べ、期待を寄せた。

また、筑波大学教授の山口香委員は「教員が生き生きとやりがいを持って子供たちの教育に当たっていく。そんな環境をどのようにつくっていくかが重要だ。教員を目指す若者が少しずつ減少していることも気になる。教員が魅力ある職業であることをもう一度アピールしつつ、優秀な人材の確保に努めていかなければならない」と指摘し、働き方改革を進めつつ、教員の採用や研修を拡充していく必要性を強調した。

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