研修と免許更新制のひも付け 文科相「冷静に考えてもいい」

萩生田光一文科相は3月16日に開かれた参院文科委で、教員免許更新制について、「研修制度を維持することと免許更新制をひも付けすることは、少し冷静に考えてもいいと思っている」と述べ、免許更新と研修は切り離してもいいのではないかとの考えを示した。現在の制度では10年に1度の教員免許更新の際、30時間以上の講習の受講が必要。教員免許更新制を巡っては、萩生田文科相が今月12日に中教審に対して行った諮問の中で、抜本的な見直しを行い、先行して結論を出すよう要請している。

参院文科委で答弁する萩生田文科相(参議院インターネット審議中継より)

16日の参院文科委では、自らも教員免許を持つ斎藤嘉隆議員(立憲)が「4年前に免許更新講習を受けたが大変だった。教育現場にいる教員が10年たつと、また受けなければいけない。大臣が最終的に目指す姿としては、この更新制度の廃止ということもありうるとの考えか」と質問した。

これに対し萩生田文科相は「コロナ禍で、さまざまな教育現場への支援をいただいたが、最も頼りになったのは教員OBの皆さんで、応援に入りたいが免許が切れていてもいいのかと随分聞かれた。現場に長年立たれた先生方に戻っていただくことがどんなに力強かったか肌で感じている」と、はじめにOBの活躍に言及。

その上で「教員に不断の研修をしてキャリアアップをしていただくのは大事だが、免許更新制度はキャリアアップではない。取りたい講座が取れなくて結局10年前と同じものを取るなど、キャリアアップになっていないのではないかとの思いがある」と説明。「現場でものすごい負担になっていると承知している。研修制度を維持することと免許更新制を紐づけることは、少し冷静に考えてもいいと思っている」と述べ、個人的な思いとして免許更新と研修を切り離してもいいのではないかとの考えを示した。

また、斎藤議員が「できるだけ早い時期に廃止か大規模な見直しをするなど、何らかの手を打つべきと思うが見通しはあるのか」と問いただしたのに対し、萩生田文科相は「新しい令和の時代の教師像を打ち立てていくためにも、できるだけ早く免許更新制については結論を出していきたい。スピード感をもって制度改革を進めていくことを、諮問した中教審の委員と共有していきたいと思っている」と述べ、改めて制度の見直しを急ぐ姿勢を示した。

教員免許更新制を巡っては、今年2月8日、中教審教員養成部会が申し送り事項を取りまとめ、その中で効果や制度設計、教師や管理職の負担、退職教員の活用などから厳しい評価が出ていることを指摘。「何らかの前提を置くことなく抜本的な検討が求められる」として議論を急ぐよう求め、その方向性について「『教師の資質能力の確保』『教師や管理職等の負担の軽減』『教師の確保を妨げないこと』のいずれもが成立する解を見いだしていかなければならない」と明記した。また、この中で研修に関連して「学校内外で研修が実施されていることに鑑みれば、10年に一度の更新講習の効果は限定的である」と、従来の研修との重複を問題視していた。

こうした流れを受けて今月12日の中教審への諮問では、「前期の中教審では教員免許更新制や研修を巡る包括的な検証を進めてもらった。現場の教師の意見などを把握しつつ、今後、できるだけ早急に当該検証を完了し、必要な教師数の確保とその資質能力の確保が両立できるような抜本的な見直しの方向について、先行して結論を得てほしい」として、教員制度改革の包括的な取りまとめと切り離して先行して結論を示すことを求めた。

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