日本人学校がピンチ 在外教育施設への支援策を検討

コロナ禍の影響で、海外の日本人学校が厳しい運営状況に直面しているとして、在外教育施設の在り方や支援策を検討するための「在外教育施設の今後の在り方に関する検討会」が文科省に発足し、初会合が3月12日に開かれた。日本への一時帰国で児童生徒が急減するなど、運営に大きな影響が出ているといい、検討会では今年5月をめどに支援策などを取りまとめたいとしている。

検討会の初会合であいさつする丹羽秀樹文科副大臣

初会合では、検討会の座長を務める丹羽秀樹文科副大臣が「在外教育施設は大変な困難を抱えている。外国に在留する子供の教育を受ける権利を法的に保障できるかという観点も含めて、改めて在外教育施設が果たすべき役割や、政府としての必要な支援策を検討したい」とあいさつした。

文科省国際教育課のまとめた資料によると、日本人学校はアジアを中心に95校が運営され、2019年には約2万人の児童生徒が在籍していたが、昨年4月には約1万6600人と2割近く減少した。コロナ禍で日本に一時帰国したまま戻れないケースが多いとみられ、日本人学校の授業料収入の急減に加え、現地の入国禁止措置により文科省が現地に派遣する教師が着任できないケースもあるなど、大きな影響が出ている。昨年4月に派遣予定だった約480人の教師のうち、予定通り着任できたのは19人だけだったという。
こうした状況に加え、在外教育施設への対応策をまとめた「在外教育施設グローバル人材育成強化戦略」が策定から5年たち、見直しの時期を迎えていることから、文科省では新たな戦略の策定と共に支援策を講じることに決めた。

検討会のメンバーは、丹羽副大臣に文科省幹部や外務省領事局政策課長をアドバイザーに加えた7人。日本人学校など在外教育施設を巡っては、現地の学校関係者や企業関係者から日本と同じ教育を求める声がある一方、外国ならではの特色のある教育を望む声もあるといい、在外教育施設の果たすべき役割について有識者らを招いて検討する。

また、海外では各家庭のオンライン環境は比較的整っているものの、学校の施設が古く十分な通信環境が整備されていないケースもあり、国内と同様のICT環境の整備を含めた支援策について検討を進める。

今後4、5回の会議を開き、5月を目途に具体的な支援策と、新しい「在外教育施設グローバル人材育成強化戦略」を取りまとめる方針。


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