アバターで能力のリミッターを外す VRの可能性を講演

VR(仮想現実)は人間の能力をどこまで引き出すのか――。超教育協会は3月17日、オンラインシンポジウムを開き、VRを活用して多様な疑似体験を実現する「五感インタフェース」の、社会実装に向けた研究に取り組んでいる東京大学の鳴海拓志准教授が、教育などにおけるVRを駆使した最先端の研究成果と課題について講演した。

VRが人間の能力を引き出す可能性を語る鳴海准教授(Zoomで取材)

自身の大学でのオンライン授業でもVRのアバターを活用することがあるという鳴海准教授は、まず、アバターにした方が、教師本人の顔を写すよりも学生が集中し、教師対学生という関係性が崩れるため、質問などのやり取りも活発になることを説明。

さらに、VRによるアバターの効果はそれだけにとどまらず、例えば、筋骨隆々のアバターでダンベルを持ち上げると、実際よりも軽く感じたり、アインシュタインのアバターを使うと、発想力を問われる課題の成績が向上したりするといった実証実験の事例を紹介した。

鳴海准教授は「体を変えると心も変わる。心は体から独立していると考えられがちだが、そうではなく、不分離で相補的な関係にある。VRで新しい体を与えると、心にも影響を与える」と話し、アバターによって自分自身が抱いている認識を変えたり、能力のリミッターを外せたりできると強調した。

一方で、こうしたVRの活用が人間の発達や認知にどのような影響を与えるかは、未知数な部分も多いと指摘。社会の在り方や人間の価値観なども含めて、議論していく必要性があるとした。

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