首都圏の緊急事態宣言を解除 首相、卒業式「会食控えて」

新型コロナウイルス感染症対策のため、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県に出されている緊急事態宣言について、菅義偉首相は3月18日、首相官邸で新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、政府の21日の期限で全面解除すると決めた。1月8日から始まった2度目の緊急事態宣言は約2カ月半で終了する。記者会見した菅首相は、解除の理由について、「飲食店の時間短縮を中心にピンポイントで行った対策が大きな成果を挙げ、1都3県の新規感染者数は8割以上減少している」と説明。同時に「リバウンドが懸念され、変異株の広がりにも警戒する必要がある」として、基本的な予防策の徹底や飲食店の時間短縮の継続とともに、「卒業式、入学式、歓送迎会などの季節だが、大人数の会食を控えてほしい」と国民に強く要請した。

新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する菅首相(首相官邸のホームページから)

菅首相は、緊急事態宣言解除後の対策として5つの柱を挙げ、▽飲食の感染防止▽変異株への対応▽感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施▽安全迅速なワクチン接種▽次の感染拡大に備えた医療体制の強化――と説明した。

飲食の感染防止では、「これまでの経験からも、マスクを外した会話が多くなる飲食が対策の中心」と指摘。首都圏1都3県で、午後9時までの飲食店の時間短縮を継続するとともに、席と席の間隔や、店内の換気に関するガイドラインの順守を求めた。さらに、1都3県合わせて1日1万件前後行っているという「見回り」を徹底する考えを示した。その上で、「会食は、できるだけ家族、または4人以内で」「これから卒業式、入学式、歓送迎会などの季節となるが、大人数の会食は控える」ことを求めた。

また、コロナ禍で生活や雇用に影響が出ている人々の緊急支援策にも言及。「厳しい状況の中でも、未来を担う子供たちを第一に考える」として、ひとり親や低所得の子育て世帯に対する子供1人当たり5万円の給付や、自殺防止、子ども食堂、子供見守りなど子育て現場で活動を行うNPOなどに新たに60億円の支援を行うことを説明した。

一方、首都圏1都3県の知事は同日、オンラインで協議し、3月末まで不要不急の外出自粛や営業時間の短縮要請を続けていくことで一致した。

卒業シーズンから春休みにかけ、文科省では、学校現場に感染拡大への警戒を続けるよう促している。先の冬休み期間中には、部活動で首都圏から飛行機で地方に遠征し、戻ってきてから学校でクラスターが発生した事例や、教員約10人が年末に忘年会を開き、出席者の半分がコロナで陽性になってしまった事例があった。同省では1月8日付で、学校現場に対して、地域の感染状況に応じて、感染症対策を徹底するよう通知。その後も緊急事態宣言の対象外の地域に対して、▽卒業式は適切な開催方法や工夫を検討する▽謝恩会については、飲食を伴わない形での開催などを検討する▽卒業旅行を時間や場所が分散される「分散型旅行」にして、なるべく混雑しない平日に少人数の仲間で行動するよう働き掛ける–などを求めた。

萩生田光一文科相は2月26日の閣議後会見で、部活動などを段階的に通常の活動に移行するとともに、年度末の学校行事や春のスポーツ大会などについて、感染症対策の徹底を前提に「ぜひ実施していただきたい」と関係者に要請している。

次のニュースを読む >

関連