大学のオンライン授業 発達障害のある学生から相談増加

発達障害のある学生のオンライン授業に関する課題について、熊本大学が全国の大学を対象に調査したところ、3割の大学で発達障害のある学生からオンライン授業に関する相談が増加しており、支援や配慮が必要な状況が浮き彫りとなった。熊本大学では今後、ユニバーサルデザインの視点に立ったオンライン授業ガイドラインを作成するとしている。

オンライン授業に対する発達障害のある学生からの主な相談・訴え(複数回答)

調査は、コロナ禍におけるオンライン授業の在り方に関する研究として、全国の大学に対し、オンライン授業における障害のある学生の対応状況などを尋ねた。熊本大学が3月17日、調査結果を公表した。

それによると、障害のある学生からの相談窓口の設置状況について聞いたところ、専用の相談窓口を常設しているのは26.5%、一般的な相談窓口と合わせて常設しているのは44.2%、窓口はなく教職員が随時相談を受け付けて対応しているのが27.2%だった。

専用の窓口を常設している大学では、コロナ禍への対応として、メールや電話、オンラインでの相談を受け付けるための整備を行った大学が多かった一方、窓口がなく教職員が個別対応している大学では、相談体制を変更していないと答えた割合が64.6%を占めた。

発達障害のある学生からの相談件数についてみると、「例年と比べて増加した」と回答したのは22.9%、構内立ち入り制限期間は減少したが、解除後は増加したと回答したのは5.5%に上った。専用の窓口を常設している大学では、これらの割合がさらに高くなった。

複数回答で寄せられた主な相談内容では「課題の量・頻度に関すること」が最も多く163件、次いで「PC/タブレットやZoomなどの操作に関すること」(119件)や「不安や不満に関すること」(83件)が続いた。授業動画の音声や画質など、感覚過敏の影響が考えられるものも多数挙がった。

また、オンライン授業に関して、発達障害のある学生への配慮を教職員全てに周知したのは13.9%にとどまった。

調査は全国の国公私立大学の障害学生支援担当・学生相談担当を対象に、昨年12月14日~今年1月15日に実施。295件の回答があった。


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