「トビタテ!留学」で性被害報告 文科省が実態調査へ

文科省が官民協働で若者の海外留学を支援しようと2014年度から始めた「トビタテ!留学JAPAN」の海外留学支援制度で、留学した学生が現地の日本人から性暴力を受ける事案が相次いでいることが、3月22日の参院文科委で取り上げられた。萩生田光一文科相は「邦人からの性被害が非常に多いと聞いて、大変ショックを受けた。きちんと精査したい」と述べ、被害の実態把握に乗り出すとともに、渡航前に具体的に留学生に注意点をアドバイスするなどの対策を検討したいとの考えを示した。

参院文科委で答弁に立つ萩生田文科相(参議院インターネット審議中継より)

「トビタテ!留学JAPAN」の海外留学支援制度は、グローバル化が進む中、国際的に活躍できる人材を育てようと文科省が官民協働で進めているもので、コロナ禍で延期されている学生も含めると約8300人の派遣が決まっている。

22日の参院文科委では、横沢高徳議員(立憲)と梅村みずほ議員(維新)が、この制度で留学した学生が現地の日本人から性被害を受けていると指摘。横沢議員は「在留邦人からの性暴力被害の声が寄せられている。被害に遭っても相談できなかったり、留学に支障が生じたりすることを恐れて、泣き寝入りせざるを得ない問題もある。こうした事実が起きていたことは知っていたか。また、実態調査をすべきではないか」と質問した。

これに対して萩生田文科相は「邦人からの性被害が非常に多いと聞いて、大変ショックを受けた。渡航前にさまざまなオリエンテーションをして、性暴力については一定のアナウンスをしていただいているが、より具体的にアドバイスする必要があると認識している」と答弁。

また、実態調査については「いずれかの機会にきちんと精査したい。また、外務省や他省庁、大学とも連携しながら、研修や説明会の機会をとらえ、積極的な啓発活動とともに、安心して学生が留学できる環境を充実させていく方策をしっかり検討していきたい」と述べ、対応に乗り出す方針を示した。

「トビタテ!留学JAPAN」事務局によると、留学生からの相談についてメンタル面のサポートなどを行っているが、文科委では議員から「相談窓口のサポートが不十分との声が挙がっている」との指摘があり、伯井美徳高等教育局長は「一定の相談体制は整備しているが、うまく機能しなかったのは非常に残念。引き続き留学生が安心して留学できるような具体的周知の在り方や、ハラスメントへの対応を含めてしっかり検討したい」と述べ、留学生へのサポートを強化する姿勢を示した。

留学中のセクハラや性暴力への対策を巡っては、留学中に被害に遭った学生たちが昨年5月に独自のサイトを立ち上げ、留学に行く学生たちの被害を防ごうと、被害の実情を訴えるとともに、性暴力の予防策と対処法を伝える活動や、被害実態のアンケートを行うなどの取り組みを独自に進めている。

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