昨年の人権侵犯事件 いじめ、教員関係が半減

法務省が3月23日までに公表した昨年の人権侵犯事件の状況によると、学校におけるいじめ事案や教員が関係する事案が、前年と比べて半数以下と大きく減少した。

それによると、昨年1年間に、同省の人権擁護機関が新たに救済手続きを開始した人権侵犯事件は9589件で、前年よりも5831件減少。同省の担当者は「他の統計なども見ないとはっきりした原因は言えないが、コロナ禍の影響で、人権擁護委員が学校などに直接出向いて周知・広報をしたり、面談による面接が難しかったりしたことが考えられる」と話している。

人権侵犯事件のうち、学校におけるいじめ事案は1126件で、全体の11.7%だった。前年と比べて1818件減少した。児童がいじめを受けているにもかかわらず、小学校が十分な対応を行っていないという母親からの相談を受け、学校で人権擁護委員による人権教育を実施し、被害児童が安心して登校できるような見守り体制を学校が築いたことで、母親と学校の関係修復を行った事例などがあった。

教育職員関係事案は435件で、全体の4.5%だった。前年と比べると548件減少した。このうち体罰は83件で、前年よりも58件減った。中学校教諭が生徒の頭をつかんで頭突きし、軽傷を負わせた事例や、児童が教員から特別支援学級に通うよう強要されたり、トイレを我慢させられたりしたという母親からの相談を受け、法務局立ち会いの下で母親と学校が話し合い、児童の指導方針について合意された事例などがあった。

他には、175件あった新型コロナウイルスに関連した差別などの事案で、学校関連の事例としては、母親が感染した生徒が学校にそのことを報告したところ、校長が他の学校の保護者に、生徒が特定されるようなメールを送信したとして、父親が法務局に相談したケースもあった。

「子どもの人権110番」の利用件数の推移

また、子供からの人権に関する相談を電話で受け付けている「子どもの人権110番」の利用件数も13年以降、減少が続いている。

昨年の利用件数は1万5603件で、前年と比べて5527件減った。内訳は▽暴行・虐待 362件▽いじめ 1668件▽体罰など 1563件▽その他 1万2010件――だった。

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