【GIGA到来】不慣れな端末でも「皆でスタート」と決断

GIGAスクール構想による1人1台端末の活用が本格化する新年度を目前に控え、グーグルは3月26日、同社の端末「クロームブック」を導入した川崎市での取り組みを記者説明会で紹介した。同市の学校現場はクロームブックを使うのは初めてだったため、市教委なども最初は不安もあったというが、川崎市教委・川崎市総合教育センター情報・視聴覚センターの栃木達也室長は「皆で同じスタートを切ろう」と決断したと説明。市内の公立学校でも、端末の活用に向けた機運は高まりつつあるという。

記者説明会で川崎市の取り組みを説明する栃木室長

栃木室長は端末の選定にあたり「市内には児童生徒数が1000人を超える大規模校が多く、合計11万7000台もの端末を導入する。これほど大量の整備は経験したことがないし、活用頻度が上がればトラブルも増えることが予想される。そのため、できるだけ管理がしやすいソリューションが必要だった」と振り返った。

どの端末を選んでも「GIGAスクール構想に合致した学びを進められる」とは思ったが、クロームブックの機能のシンプルさが採用の決め手となったという。クラウドを基本としているためローカルにデータが残らず、万が一の際もアカウントを削除すれば情報漏えいが防げることや、端末が頑丈で子供が使いやすいことなどを評価した。

ただ、同市の学校現場で活用してきたのはウィンドウズ端末。「これまで積み上げてきた財産をそのまま使えないかもしれないし、端末の使い勝手も変わる。不安は当然あると考えていた」と語る。しかし「どの先生も子供も慣れ親しんでいない端末やソリューションで、同時にスタートを切れる」と捉え、試行錯誤しながら前に進むことを決めた。

同市では今年2月から、市内の小中学校から各1~2人の教員が「GIGAスクール構想推進教師」として集まり、グーグルの授業支援ツール「クラスルーム」上で、授業や校務への活用や、トラブルが発生した時の解決策などについて知恵を出し合う場を設けている。教委のメンバーも加入し、ICT活用に向けた知見の共有や蓄積を行っているという。

今週、市内の小学校114校、中学校51校(BYODで整備された学校を除く)に端末の配布を完了。昨年12月末に先行して端末が配布された市立南河原中学校(稲毛伸幸校長、生徒約330人)では、すでに生徒総会や3年生を送る会で、全校生徒が体育館に集まる代わりにクラスルームで資料を共有したり、ビデオ通話ツール「ミート」を使ったりといった取り組みを始めている。

教員からは「最初は不安だったが、直感的で操作しやすい。複数の人で編集して共有できるのは、教育現場において非常に有意義」「生徒総会では、発表が苦手な子供もコメントを残せて、いろいろな意見が出てきた」「社会科の授業では、調べ学習の幅が広がりそう。グーグルアース(グーグルのバーチャル地球儀システム)なども活用したい」などの声があった。

同中の稲毛校長は「これまでなら困難であったことも、教員たちが端末をいじりながら『できるかも』『できたらいいな』とわいわい議論するようになった。クロームブックは皆が同じスタート。ウサギもカメもいると思うが、一人一人を大切にしながら、子供同士でも協力できる環境を作っていきたい」と話す。

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