高校情報科教員「上手に配置換えを」 不足懸念に文科相

来年4月から実施される高校の新学習指導要領で、プログラミングやデータ活用などを学ぶ共通必履修科目「情報Ⅰ」が新設され、2025年からの大学入学共通テストでも出題が予定されている一方で、一部の地域では情報科担当教員の不足が懸念されていることについて、萩生田光一文科相は3月26日の閣議後会見で、直ちに教員不足には陥らないとの考えを示した。文科省の調査では、情報科を担当していない情報免許状保有教員は直近で6064人に上り、同省はこうした教員の配置の工夫や、複数校の兼務などを自治体に促すとともに、計画的な新規採用を求める。

高校情報科教員の配置について説明する萩生田文科相

萩生田文科相は「潜在的な免許保有者は現場にたくさんいて、今は情報以外の教科を教えているが、情報も教えることができる。上手に配置換えをしながら(対応でき)、新規採用も当然必要だが、直ちに『情報科といっても教師がいないじゃないか』という事態にはなっていない」と説明した。

文科省は昨年、都道府県・政令市教委に対し、潜在的な情報免許状保有者も含めた調査を初めて実施。昨年5月1日時点での情報科担当教員数は5072人で、うち7割超に当たる3862人が情報免許状保有者だが、残る256人が臨時免許状保有者、954人が免許外教科担任だった。一方、6064人が情報免許状を保有しながら、情報科を担当していないことも明らかになった。

また高校の設置がない相模原市を除く都道府県・政令市(計66)のうち、臨時免許状・免許外教科担任が1人以上いる都道府県・政令市は48あった。ただ自治体間の差が大きく、長野県、栃木県、新潟県、福島県、石川県、和歌山県、茨城県、岐阜県の上位8県で、臨時免許状保有教員・免許外教科担任の総数の半数以上を占めた。

情報科担当教員に関する現状(出所:文科省「高等学校情報科担当教員の専門性向上及び採用・配置の促進について(通知)」別添資料)

とりわけ長野県・栃木県の2県は、仮に情報免許状保有教員を全員配置したとしても、臨時免許状保有教員や免許外教科担任で補う必要が生じる。地域差が大きい理由について、文科省の担当官は「週の授業回数が少ないことや、小規模校であることなどを理由に、教員が配置できない場合がある」と説明する。

しかし今後、新学習指導要領のもとで情報科の指導体制の充実が求められることを踏まえて、同省は今月23日、都道府県・政令市教委に対し、情報免許状保有者の採用・配置の促進を求める通知を発出。新規採用が難しい場合も考慮し、免許状の保有状況を把握した上で適切な配置をする、遠隔授業も活用して複数校に兼務させるといった、情報免許状保有教員の配置の工夫を求めた。

また情報免許状を保有するものの、しばらく担当していない教員なども含めた指導力の維持やアップデートのため、同省が公表する研修教材などを活用し、専門性の向上に努めることを求めた。免許外教科担任の許可や臨時免許状の授与については、「安易な許可・授与は行わない」と念を押した。

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