「令和の日本型教育」答申への思い 第10期中教審委員が語る

中教審が今年1月に公表した答申「『令和の日本型学校教育』」の構築を目指して」をまとめた第10期の委員たちが、答申に込めた思いなどを語る文科省のシンポジウムが3月27日、オンラインで開かれた。学校の指導は何のためにあるのかという本質的な部分から、学校現場の浸透に向けた課題、GIGAスクール構想が今なぜ子供たちに必要かといった理由まで、2時間にわたって考えを語り合った。

オンラインで開かれたシンポジウム「令和の日本型学校教育」を語る!

シンポジウム「『令和の日本型学校教育』を語る!」は、中教審がまとめた答申について、文字だけで伝えきれない思いや2020年代に目指すべき学校教育の姿について改めて語ってもらおうと開かれ、答申をまとめた第10期の委員6人が参加した。

はじめに荒瀬克己委員(関西国際大学学長補佐・基盤教育機構教授)は「答申は基本的には、学習指導要領の着実な実施に向けた考え方などを述べたもの。何のために学校があり、指導は何のためかというと、1人1人の子供が自分のよさを認識できる自己肯定感を持ち、成長して社会で生きていくもとを養うもの。答申の概要版だけでは分かりづらいと思うので、ぜひ本文の総論も読んでほしい」と述べた。

戸ヶ﨑勤委員(埼玉県戸田市教育長)は、学校現場に近い立場から学校の受け止めや答申の実現に向けた課題などに触れ、「『個に応じた姿勢』などは実は半世紀前からの課題だが、GIGAスクール構想やコロナ禍の対応で次々と分厚い資料が送られ、現場からは満腹状態で体力が消耗しているとの声も聞かれる。魂を込めた答申の言葉だけが独り歩きしないよう、学校とともに伴走し、積極的な自走を支援することが重要だ」と強調した。

堀田龍也委員(東北大学大学院情報科学研究科教授)は、なぜGIGAスクール構想が子供たちに必要かを改めて説明。「人生100年時代にあって、人生のステージごとに新しい知識を得るなど、常に学び続けないといけない時代になった。年代に応じて動画やCBT(Computer Based Testing)で資格を取ることも必要になるし、プログラムが分かる人と分からない人では生産性は大きく変わっていく。子供が自己肯定感を持てるようにICTを活用してほしい」と呼び掛けた。

若い世代からシンポジウムに参加した今村久美委員(認定NPO法人カタリバ代表理事)、岩本悠委員(一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事)、神野元基委員(㈱COMPASSファウンダー)は、学校現場が直面する課題を指摘するとともに、いかに向き合うべきかを提言。岩本委員は「探究することは試行錯誤になるし、その中には小さな失敗があると思うが、学校や行政に失敗は許されない空気があると探究やチャレンジはしにくくなる。そこをどう乗り越えていくかが重要だと思う」と指摘した。

最後に荒瀬委員は「今回の答申には今村さんからの『伴走者』という言葉などを文科省が受け止めて、いい形で盛り込めた。現場の教職員が大変であることは理解しており、人的物的支援が重要であることは、指導要領で指摘している。課題はあるが、子供たちや学校が伸びていくようお互い力を尽くし合い、皆さんが込めたものの実を結ばせたい」と述べた。

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