東田直樹さんのエッセーが原作 自閉症者に迫る映画が公開

国連が定めた4月2日の「世界自閉症啓発デー」に合わせ、自閉症者が感じている世界に迫ったドキュメンタリー映画『僕が跳びはねる理由』が、日本でも同日に公開される。自閉症者である東田直樹さんのエッセーを基に、世界各地で暮らす自閉症者とその家族の葛藤や希望を追った作品で、自閉症者とのコミュニケーションを通じて、社会が自閉症を理解し、自閉症者にとって生きやすいインクルーシブな未来を創るためのメッセージを伝えている。

文字盤を使って対話できる、映画に登場する米国のベンさん(2020 The Reason I Jump Limited, Vulcan Productions, Inc., The British Film Institute)

原作となった『自閉症の僕が跳びはねる理由』は2005年に出版され、当時13歳だった自閉症者の東田さんが、パソコンや文字盤を使って自閉症者が世界をどう感じているかや、直接話すことでは伝えられない切実な気持ちをつづった。自身にも自閉症の息子がいる作家のデイビッド・ミッチェルさんと妻のケイコ・ヨシダさんが英訳したことで、世界的に知られるようになった。現在では30カ国以上で出版され、117万部を超えるベストセラーとなっている。

映画では、インド、英国、米国、シエラレオネで暮らす自閉症の若者と、その家族に密着し、原作の東田さんの文章を引用しながら、自閉症者の世界の見え方や思考の仕方、家族の思いを慎重に切り取っていく。

発達障害の一つである自閉症を巡っては、他者との会話が成立しづらいことから、自閉症者やその家族が差別されてきたという歴史もある。作品では、自閉症者と会話以外の方法でコミュニケーションしながら、お互いに理解し合い、自立し、社会の偏見を変えていこうとする当事者と家族らの歩みを記録。その過程の中には、教育による支援の在り方を考えさせられるシーンもある。

全国の映画館で公開。上映場所などは公式サイトで確認できる。

タイトル:『僕が跳びはねる理由』

4月2日より、角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。


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