【#教師のバトン】炎上の背景と可能性議論 内田准教授ら

ツイッター上で展開されている文科省の「#教師のバトン」プロジェクトを巡り、学校の働き方改革などの問題の発信を続けている内田良名古屋大学准教授らは3月30日、緊急のオンラインイベントを開き、同プロジェクトの持つ可能性や、炎上を引き起こした背景を議論した。

「#教師のバトン」プロジェクトの一連の動きを分析する内田准教授(Zoomで取材)

3月26日からスタートした「#教師のバトン」プロジェクトでは、教職の魅力向上によって教員志望者を増やすことを目的に「#教師のバトン」とハッシュタグを付けた投稿を募集。教職のやりがいや新しい実践、働き方改革の取り組みなどをシェアしていく試みとして展開されている。3月31日の時点で5000を超えるフォロワーがあり、教員の長時間労働の現実を訴える声やプロジェクトそのものへの批判も多く寄せられるなどしている。

こうしたここ数日のプロジェクトを巡る動きを整理した上で、内田准教授は、教員のアカウントによって学校現場の問題が語られてきたツイッターに、文科省が参入してきたことや、投稿の留意点の中で、所属長からの許諾を不要としている点などから、文科省が教員や学校現場の本音を拾おうとしている姿勢が感じられると評価。

「誰かが学校の働き方改革のプラットフォームを作ってくれないかと思っていた。学校は『子供のために行事をやっているので、それを減らすことはできない』というメンタリティーを持っていることも多い。『いざ仕事を減らしてみたらうまくいった』『子供も満足が多くて先生も負担が減った』ということはあるはずだ。そういうことをシェアしていけば、効果は全国に波及していくのではないか」と期待を寄せた。

一方で、プロジェクトに対して批判的な声が集まってしまった原因を「教職の魅力向上」など、現実とのギャップがあまりにも大きい“キラキラワード”が多用されている点にあると指摘。リスクへの対処として、教員の長時間労働などのマイナス面を改善しないまま、やりがいなどの良い面ばかりを強調し過ぎると、問題自体は解決されていないため、志望者が一時的に増えたとしても、教職から離れていく人は一向に減らないとくぎを刺した。

教員免許更新制の見直しなど、現場の負担軽減につながる施策の検討に着手している文科省の本気度を感じているという内田准教授は「これを好機として捉えていきたい。『国は何も考えていない』とたたいて終わるのではなく、もう一歩進めるためには、不満をぶつけながらも、改革をどう進めていくかをみんなで議論していくことが必要なのではないか」と呼び掛けた。

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