GIGA端末を授業でどう活用? 庄子教諭らが実践報告

「GIGA×STEM GIGAスクールでのSTEM学習を中心とした新しい学びの実践」をテーマにしたオンラインシンポジウムが3月28日に開催され、東京都調布市立多摩川小学校の庄子寛之指導教諭と新潟市立葛塚中学校の上村慎吾教諭が登壇して、GIGA端末を活用した授業実践や教員研修、保護者との連携法などについて報告した。主催は日本STEM教育学会。

セレクト研修の導入について説明する上村教諭

まず、GIGAスクールの研修担当を務める上村教諭が、所属校の教員研修について報告。葛塚中では職員全員を集めた研修は時間的に非効率だと考え、教員自身が受けたい研修を選べるセレクト研修を導入した。

具体的には▽「Googleワークスペース」の共有ドライブ内にスプレッドシートを作成し、職員朝会の連絡を簡略(教務部)▽iPadの音声機能を活用した英語学習の音読練習(学習部)▽ロイロノート・スクールを活用した、委員会の取り組みの学年アンケートの作成・集約(生徒会指導)――などの内容で開催し、教員自身がニーズに合わせて受講した。

その結果、職員の70%が受講。また各教員それぞれの強みを生かした実践につなげられ、日常的に教員同士で学び合う空気感が醸成されるなどの効果があったという。

庄子教諭はコロナ禍の影響で学校行事や公開授業が中止になり、希薄化が懸念される家庭との連携について、GIGA端末を活用した実践を報告。多摩川小では、端末の家庭への持ち帰りを許可していることから、▽カメラ機能を使い、家庭で写真を撮って朝の会で共有する▽ビデオ機能やボイスメモ機能を使って、自分の音読を録音▽授業の様子を「Googleクラスルーム」のストリームで保護者に配信▽「Googleクラスルーム」のストリームで学級通信のデータ共有――などの事例を紹介。

これらの取り組みについて保護者にアンケートを実施した結果、「コロナ禍で学校に行く機会はほぼなかったが、こうやって公開されるおかげで、学校の様子がとてもよく分かった」などと肯定的な意見が多かったとした。

端末を活用した家庭との連携法を紹介する庄子教諭

一方で庄子教諭は、端末整備を巡る教員の負担感にも言及。例えば、多摩川小を管轄する調布市では、端末に不具合があったとき原則として学校がサポートセンターへ連絡する。電話が混み合ってつながらなかったり、家庭で不具合があったときはその仲介役をしたりなど、教員に負荷がかかっているとし、本格始動する4月以降、改善する必要があると指摘した。

また学校生活の中で端末を文房具のように使いこなすコツについて、上村教諭は「まずは端末を活用する必然性の高い、部活動や生徒会活動から取り入れ、目的と方法が一致する実践を重ねていくのもいい」とした。また授業中の留意点として「例えばアプリを使って調べ物をするとき、5分、10分と細かく時間を区切って作業させるよりも、『20分まるまる情報収集の時間』として子供に委ねるほうがいい。子供自身が、教材に没頭している時間をどれだけ大切にできるかがポイントだ」と話した。

庄子教諭は「(端末の使用について)他人に迷惑を掛けていない限り、ある程度許す」と寛容な姿勢が大切と指摘。例えば授業中に端末で関係ない作業をしている児童生徒に対して、教員が端末を取り上げた事例などに触れ、「大人も子供もまだ端末を“遊び道具”として認識しているのではないか。最初は授業中に関係ないこともするだろうが、自由に使っているとおのずと子供たち自身で学びに活用していく。子供たちのそういった小さなアクシデントを許容できる教員、校内体制が整っていることが大切」と、特に導入直後の過渡期は大人の寛容な姿勢が鍵になるとした。

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