「新時代の学校教育」の幕開け 2021年度の展望

新型コロナウイルスの収束が見通せない中、今日4月1日から2021年度がスタートした。今年度は、中学校で新学習指導要領による教育課程が始まるほか、GIGAスクール構想による1人1台の学び、小学校での35人学級など、「新しい時代の学校教育」が幕を開ける。

デジタル教科書で学ぶ小学生(昨年12月撮影)

昨年度の小学校に続き、今年度からスタートする中学校の新学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通じて、基礎的・基本的な知識・技能を活用した課題解決に必要な思考力・判断力・表現力を育成し、主体的に学習に取り組む態度や、個性を生かして多様な人と協働を促す教育活動の充実をうたっている。

先行実施されている教科化された「道徳」を除き、教科の構成などで大きな変化はないものの、小学校や高校との接続がより重視され、カリキュラム・マネジメントや社会に開かれた教育課程の実践など、他校種や地域、教科間での連携が鍵となる。

特に、23年度から段階的に地域への移行を進めることになる休日の部活動の在り方など、長時間労働がより深刻な中学校にとって、改革を加速させていく1年になると言える。

そのアクセルとして期待されるのが、新型コロナウイルス対策として一気に小中学校の全学年に整備されることになった、GIGAスクール構想による1人1台のICT環境だ。

当面は各学校で端末をどのように活用し、学習効果を高めていくか、教員のICT活用能力の向上を含め、試行錯誤が続くことになる。一方で、自治体によっては昨年度中に端末整備のめどが付かなかったところもあり、感染拡大による休校時のオンライン授業などによる学びの保障のためにも、早期の導入完了は急務だ。

1人1台になることで、授業も一斉講義型から、個に応じた学びや協働による学びにスタイルが大きく変わる可能性がある。そのツールとして期待されるのが、学習者用デジタル教科書だ。

文科省は今年度予算で「学びの保障・充実のための学習者用デジタル教科書実証事業」を打ち出し、小学5、6年生と中学校全学年を対象に、1教科分の学習者用デジタル教科書の経費を国で負担し、宿題など学校の授業以外の場での活用も含め、学習者用デジタル教科書の普及に向けた課題を洗い出す。

これに合わせ、同省では関係者から要望が上がっていた「学習者用デジタル教科書の使用は各教科の授業時数の2分の1未満」としていた基準の撤廃に踏み切った。学習者用デジタル教科書のガイドラインについても、健康面への配慮を充実させた改訂を行うなどして、学校現場が活用しやすい準備を整えている。

また、昨日の参院本会議で可決、成立した改正義務標準法によって、40年ぶりに小学校の学級編制標準が引き下げられ、35人学級が順次実施される。今年度は、実質的に35人学級となっている小学2年生が引き下げの対象となるため、変化を感じることは少ないかもしれないが、大きな一歩を踏み出したことは間違いない。

22年度以降も35人学級を確実に拡大していくための予算や人材、教室の確保などが、教育行政における重要なミッションとなる。

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