記述式問題の在り方を巡り議論 大学入試検討会議

新学習指導要領に基づく初の大学入試となる2025年からの大学入学者選抜を巡り、その概要が予告される今夏に向けて入試改革の議論を進めている、文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」は4月2 日、第24 回会合を開いた。記述式問題の出題の在り方について、これまでの論点を整理しながら議論を進め、委員からは「記述式試験に大学がどう対応できるかを解決できないと、導入は進まない」「選抜試験のどこかで記述式を出題する努力をするという点では、合意できるのでないか」などといった意見が出された。

座長代理を務める川嶋太津夫委員(大阪大学高等教育・入試研究開発センター長)が、これまでの論点を整理したメモを提出。この中では記述式問題について、「自らの考えを論理的にまとめる思考・判断の能力や、思考・判断した過程や結果を的確に表現したりする能力は、大多数の大学・学部で専門分野を学ぶ上でも必要な能力であると考えられ、こうした能力を評価することは、大学入学者選抜に求められる原則の観点に沿ったものと考えられる」としつつ、採点者の確保や正確な採点などの課題から、2019年12月に大学入学共通テストへの導入が見送られた経緯に触れた。

さらに全大学へのアンケート調査では、「共通テストで記述式を出題すべき」という肯定的な意見は国公立大学で8%、私立大学で17%にとどまったとの結果を示し、「課題は容易に解決できるものではないため、現実には個別試験での出題を促す以外の選択肢はないのでないか」と、共通テストでの導入について慎重意見が出されたことを紹介している。

一方で、大学入学者選抜と入学後の教育の一貫した取り組みの推進に向けて、国は入学者選抜での記述式問題の充実と、大学入学後の教育を一貫させ、思考力・判断力・表現力等の能力を育成し評価する取り組みを、一層推進する必要があると指摘した。

こうした内容を踏まえた上で、各委員は改めて記述式問題への意見を述べた。末冨芳委員(日大文理学部教授)は「記述式問題を通して入試でどれだけ測定するかは難しく、大学などがどう対応できるか解決できないと導入は進まない。まず新学習指導要領の中で記述式を伸ばす指導ができているかどうか、文科省で丁寧に解析してほしい」と要望した。

渡部良典委員(上智大言語科学研究科教授)は「大学入試センターが記述式の作問に関するガイドラインを作成し、私大でも取り入れやすい方法を紹介すべきという意見があったが、こうしたことは建設的なので進めていいと思う」と述べた。

また、記述式問題を通して何が求められるかについて、島田康行委員(筑波大人文社会系教授)は「大学生に求められる記述力とは、端的に言えば論理力。求められる記述力とは論じる力だということを、どこかで示してほしい。また、課題はあっても大学入学者選抜のどこかで記述式を出題する努力をしていくということなら、合意できるのでないか」と述べた。

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