新入生への仕送り額が過去最低 生活費は1日607円に

東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)は4月5日、2020年度に首都圏の私立大学に入学した新入生の家計負担調査の結果を公表した。自宅外通学者の毎月仕送り額の平均は8万2400円で、調査を始めた1983年度以降、過去最低となった。家賃を除いた1日当たりの生活費も607円で、過去最低となった。コロナ禍でキャンパスに通えず、アルバイトもできない新入生が、厳しい生活に直面している姿が浮き彫りになった。

私大新入生の家計負担調査の結果を説明する東京私大教連の担当者ら

調査結果によると、自宅外通学者の毎月仕送り額の平均となった8万2400円は、これまでで最も低かった18年度の8万3100円を下回る過去最低で、過去最高だった1994年の12万4900円と比べると34%も減っている。同団体は「コロナ禍で先行きが不透明な中、保護者が今までの仕送りを維持できなかったのではないか」との見方を示した。

また、仕送りから家賃を除いた1日当たりの生活費は607円で、これも過去最低となった。ピークだった1990年度の2460円の約4分の1にまで下がっており、同団体は「この金額で食費や教材費、交通費などを賄うことは不可能。学業が犠牲になるほど長時間アルバイトをせざるを得ない実態を表している」と指摘している。

一方、受験費用や初年度納付金など「受験から入学までにかかる費用」は、家賃などがかからない自宅通学者が約159万8000円で過去最高となり、自宅外通学者は約220万1000円で過去最高だった昨年度に次いで2番目に高い結果となった。

さらに家計の負担から見ると、自宅外通学者の場合、これに仕送り額(4月~12月)を加えた昨年の負担額は295万円に上り、保護者世帯の年収(平均927万5000円)の約32%を占める負担となっていることが分かった。

自由記述欄では、「コロナの影響で収入が減り、息子のアルバイトも見つからず、とても厳しい状況です。息子を4年間、大学に通わせられるかとても心配です」「コロナの影響で予定したアルバイトができず、授業料の支払いが困難な状況です。このままでは大学中退を考えなくてはならない状況です」などと、コロナ禍の影響で厳しい生活に追い込まれ、窮状を訴える声が多く寄せられた。

文科省で記者会見した同団体の白井邦彦中央執行委員長(青山学院大教授)は「昨年度はオンライン授業が主体で、新入生は通常の学生生活を送れない上、アルバイト先の塾や飲食店も休業を余儀なくされて、シフトを切られる状況だった。子供が私立大に進学したため、妻がパートを増やして学費を賄う保護者も多いが、パート自体が切られることもある。保護者も学生もどう生活したらいいのか、深刻な悩みに直面している」と指摘した。

同団体では、保護者の経済的負担が重い背景には、国による私学助成金の削減があるとして、今回の調査結果を踏まえ、近く私立大学の学費負担軽減を求める国会への請願署名運動を始める考え。

調査は、昨年5月から7月にかけて、首都圏の1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の9私立大学に入学した学生の保護者を対象に行われ、5407件の有効回答を得た。

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