性同一性障害や同性愛 授業で取り入れた教員は1割

過去3年以内に性同一性障害や同性愛を授業に取り入れた教員は1割程度にとどまることが、日高庸晴宝塚大学教授が全国の教員に対して行った調査で明らかとなった。日高教授は「2011~13年に行った前回調査とほとんど変わっておらず、研修は進んでいるが授業の実施にまで至っていない」と指摘する。

同性愛や性同一性障害の児童生徒と関わったことがある教員の対応方法(複数回答)(注:日高庸晴宝塚大学教授「性的指向と性自認の多様性に関する教員アンケート2019」より)

調査は「性的指向と性自認の多様性に関する教員アンケート2019」。それによると、過去3年間に直接関わった児童生徒の中で、同性愛の児童生徒がいたと答えた教員は4.3%、性別違和や性同一性障害の児童生徒がいたと答えた教員は9.7%だった。同性愛や性同一性障害など、性的マイノリティーの児童生徒は、少なくともクラスに1人以上はいると思うと答えた教員は34.8%を占めた。

また、同性愛の児童生徒について校内で報告を受けたことがある校長は4.9%、性別違和や性同一性障害の児童生徒について報告を受けた校長は26.6%いた。

同性愛や性同一性障害の児童生徒と関わった際の相談や情報収集について聞くと、「他の教員に相談した」や「養護教諭に相談した」「インターネットや本で、自分で情報収集した」「スクールカウンセラーに相談した」がおおむね3割以上と多かった。

教員になってからの研修で、同性愛について学んだと回答した割合は39.6%、性同一性障害は46.0%だった。

授業経験について尋ねたところ、同性愛について過去3年以内に授業で取り入れたことがあると答えた教員は10.7%で、このうち5~10分程度話題にしたのは62.6%、1時間かけて授業をしたのは33.9%だった。授業に取り入れたことがない教員にその理由を複数回答で聞くと「教える必要性を感じる機会がなかった」が32.4%、「教えたいと思うが教えにくい内容だから」が31.5%などだった。

同様に、性同一性障害について過去3年以内に授業に取り入れた教員は10.7%で、このうち、5~10分程度話題にしたのは58.8%、1時間かけて授業をしたのは35.3%だった。授業に取り入れたことがない教員にその理由を複数回答で聞くと、「教えたいと思うが教えにくい内容だから」が32.3%、「教える必要性を感じる機会がなかった」が31.8%などだった。

この結果について日高教授は「授業を実施した教員の割合は前回調査とほとんど変わっておらず、教員への研修は進んでいるが授業を実施するまでには至っていないことが浮き彫りとなった。ここ数年で世の中は大きく変わっているのに残念だ」と話し、さまざまな教科で、短時間でもいいので何度も折に触れて取り上げることの重要性を強調した。

調査は19年10月から20年3月に全国36自治体の小中高校、特別支援学校の教員に実施。2万1634人が回答した。

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