授業の振り返りをAI解析、次の学びを推奨 松田孝氏ら開発

GIGAスクール構想による1人1台端末の導入に合わせ、東京都小金井市立前原小学校前校長の松田孝氏が代表を務めるMAZDA Incredible Labは4月5日、高度なAIエンジンを手掛けるArithmer社とともにウェブコンテンツ「Shuffle.(シャッフル・テン)」を開発し、学校や学習塾などへの提供を開始したことを明らかにした。授業で子供たちが文章で自由記述した振り返りをAIで解析し、さらなる学びにおすすめのYouTube動画10本をリコメンド(推奨)。松田氏は「子供たちの好奇心や探究心をさらに醸成し、次の『学び』につながっていく」と狙いを説明する。今年度内は無償で提供される。

テキストを入力してボタンを押すと、おすすめの動画が表示される(デモ画面、松田孝氏提供)

対応教科は、小学校の算数・理科・プログラミング、中学校の数学・理科・技術、高校の数学・理科・情報といったSTEAM系教科。インターネットに接続すれば、どのような端末からも利用が可能となっている。

最初にニックネーム、学年、算数・数学や理科に対する興味・関心を4段階で登録した上で、ウェブコンテンツのリコメンドページで、振り返りの記述をテキストで入力する。入力したら、「(視聴履歴からの)興味・関心重視」または「(登録情報からの)知識・技能重視」の幅を選択して「リコメンド」ボタンを押すと、その記述に合った動画が10本、並んで表示されるようになっている。

振り返りのテキストは、Arithmer社が開発した5つのAIエンジンで解析しており、ユーザーが増加すればするほど、リコメンドの精度が向上するという。表示された動画が気に入れば「お気に入り」登録をすることもでき、他の生徒が勧める動画なども表示することができる。

松田氏は「アナログの環境では、心ある教員がコメントを返しても、それを生かして次の学習につながるかが分からなかった。動画がリコメンドされることによって、『もっとやってみたい』という好奇心・探究心をくすぐられれば、子供はもっと次に向かっていく」と新コンテンツ開発の目的を説明する。

さらに今後は、単元別の動画と感想をまとめて、子供自身が単元の振り返りや自己評価につなげられるようにする。松田氏は「これまでのデジタルコンテンツでは、学びに向かう力を育むものがなかった。Shuffle.は直接、そうした力を育む活動を組織できるコンテンツで、自己評価を通じて、まさに子供たちが21世紀をしなやかに生きる力を育むことを目指す」と話す。

Arithmer社の担当者は「子供たちにはキーボードのある端末で利用してほしい。振り返りを入力することで、キーボードのタイピングを練習する機会にもなる」としている。本コンテンツは学校や学習塾などを対象に、今年度内は無償で提供する。問い合わせなどはMAZDA Incredible Labのウェブサイトで受け付ける。

松田氏は本紙「オピニオン」の執筆メンバー。

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