教員不足、全国規模の実態調査を初めて実施へ 文科省

新年度から小学校全学年で「35人学級」への移行が始まったことを受け、萩生田光一文科相は4月6日、閣議後の記者会見で、年度当初に小学校の学級担任が不足するなど学校現場が厳しい状況になっているとして、教員不足の実態を把握するため、全国的な調査を行う考えを明らかにした。文科省が教員不足について全国規模の実態調査を行うのは、これが初めて。教員志望者の減少が懸念される中、特別支援学級の増加などを受けて各自治体が学校現場に配置したいと考えている教員数と、実際に配置できている教員数の実態を把握することで、教員の採用や養成、働き方改革などの見直しを行う基礎資料とする。

教員不足の実態調査について説明する萩生田文科相

教員不足の実態調査は、教員の採用権を持つ都道府県など全国68の教育委員会を対象に、新年度の教員数が確定する5月1日時点の教員配置をベースに行う。これまで2017年に11県市の教委を対象とした抽出調査を行った例はあるが、全国規模で行うのは今回が初めてとなる。

萩生田文科相は「教師不足に関して、年度当初において小学校の学級担任が不足し、教頭ら他の教員で対応するなど厳しい状況が生じていることは承知している」とした上で、教師不足が生じる主な要因について、「そもそも計画的に正規採用を増やしていくことが最も望ましかったが、財政的なことも含め、さまざまな事情が各自治体にもあったと思う」と述べ、自治体による計画的な教員配置ができていないことを挙げた。

その上で「講師の登録名簿の登録者数が減少している」と指摘。その背景について「産休・育休の取得者数や特別支援学級などの増加によって、見込み以上に必要教室が増えている。人口構造の変化に伴う生産年齢人口の減少や、近年の採用倍率の低下を背景に、講師の正規職員としての採用が進み、講師のなり手が減少している」との見方を示した。

その対策として、▽教員OBや教員志望の学生などを想定した学校・子供応援サポーター人材バンク、学校雇用シェアリンクの立ち上げなどによる講師人材の確保▽スクールサポートスタッフなど、外部人材の活用による教員の働き方改革▽教員免許更新制や研修を巡る制度の見直し、質の高い教師の確保に向けた教員の養成、採用、研修などの抜本的な見直し――などに取り組んでいることを説明した。

萩生田文科相は「義務教育は国の責任。新年度が始まって担任の先生がいないなどという事態を、今後生むことがないようにしたい。せっかく4月から35人学級が順次進んでいくのだから、まさに今年はいろいろな意味で『教育改革の元年』と位置付けたい。教員採用の在り方についても、地方の皆さんと同じ思いを持って、将来的にこういう問題が発生しないようにしっかり変えていきたい」と述べた。

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