9月入学論議、大学の学事暦の多様化で決着へ 実行会議WG

政府の教育再生実行会議・高等教育ワーキング・グループ(WG)は4月7日、第8回会合を開き、9月入学(秋季入学)への移行について、「大学などの学事暦や修業年限の多様化・柔軟化」を促進する考えで一致した。同会議の初等中等教育WGでは、小中高について9月入学への移行を求める方向性は出ておらず、コロナ禍で急浮上した9月入学への移行論は、大学などの入学や修業年限の多様化・柔軟化を進めることで決着する見通しとなった。最終提言は5月に菅義偉首相に手渡す。

教育再生実行会議・高等教育WGであいさつする丹羽文科副大臣

会議後に会見した内閣官房教育再生実行会議担当室の池田貴城(たかくに)室長は、昨年7月に始まった今回の教育再生実行会議で、主要議題の一つに位置付けられた9月入学への移行について、「大学などの学事暦や修業年限の多様化・柔軟化で意見がまとまった。入学時期を4月から9月にするのではなく、春に入学して卒業する人もいれば、秋にする人もいる。現在でも大学によっては4学期制をとっている。そういったことを含め、多様化していくべきだという意見でまとまった」と説明した。

大学の入学や卒業については、法律などによる規定はなく、現行制度でも各大学の判断で時期を設定することができる。このため、教育再生実行会議の提言では、入学や卒業など大学の学事暦や修業年限の多様化、柔軟化を促進するよう求める見通し。企業への就職など社会との接続が問題となる点については、企業経営に詳しい出席者から「企業はジョブ型の雇用や既卒の経験者の採用を増やしている。採用に当たって、企業側が求める能力や専門性、リベラルアーツの習得状況などを明確に示すべきだ」との意見が出された。

また、大学の学事暦や修業年限の多様化を求める目的としては、海外の大学との交換留学や単位互換など国際化への対応のほか、キャリアパスの複線化などが挙げられた。

同会議の初等中等教育WGでは、小中高について9月入学への移行を求める方向性は出ていない。このため、昨年4月以降、コロナ禍による学校休校の長期化を受けて急浮上した9月入学への移行論は、大学などの入学や修業年限の多様化・柔軟化を進めることで決着する見通しとなった。

ただ、高校の修業年限については、全国知事会が生徒の習得状況に応じて柔軟化できるよう、学校教育法で定められた「3年」の期限を「3年以上」に改正するよう提案。池田室長によると、この点については、来週にも開催される初等中等教育と高等教育の合同WGで改めて議論する。

池田室長によると、前日の初等中等教育WGに続き、今回の提言では、子供の幸福度や自己肯定感の向上につながるウェルビーイングの実現を、最も高次な目標として掲げることが改めて確認された。ウェルビーイングを小中学校の段階から大学までの連続した課程で実現するために、大学入試については、過去の提言で明確化した「一点刻みの評価からの脱却」「多面的な評価」の方向性を改めて強調する。具体的な大学入試改革の進め方については、昨年1月から議論を続けている文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」に委ねることになるという。

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