マネージャーだって部活動の主役 高校生が全国サミット

地域と連携した探究型学習の実践などで知られる島根県立津和野高校で4月6日、部活動のマネージャーがオンラインで集まり、それぞれの課題やマネージャーの役割について話し合う「全国マネージャーサミット」が開催された。企画したのは同校3年で、野球部マネージャーの松浦幸美(こうみ)さん。「部活動を居心地のいいものに変えていくのがマネージャーの仕事」と話し、従来のマネージャーへのイメージを変える試みの一環として挑戦したという。

マネージャーが悩みや課題を語り合う場に
オンラインによる全国サミットに集まったマネージャーの高校生ら(津和野高校提供)

初の全国サミットに集まったのは、OB・OGも含め、全国の高校で部活動のマネージャーをしている高校生ら。サミットの企画から本番まで、わずか2週間あまりという短期間ながら、17人が参加した。

参加者はグループに分かれて、マネージャーを始めたきっかけやどんな仕事をしているか、マネージャーの仕事のやりがいや苦労などを意見交換。

東北地方の公立高校で野球部のマネージャーをしている女子生徒は「部員が今、6人しかいない。1人でもけがで抜けると練習が大変。連合チームで大会に出ることから、合同練習の場所まで移動時間がすごくかかる。1年生のころは言われたことしかできなかったけれど、最近は自分で考えて行動するようになってきた」と話した。

OBとして参加していた大学生は、部員の少ないサッカー部でマネージャーをしていたころを振り返り、「顧問の先生がサッカーの知識がなかったので、マネージャーの自分がいろいろなことに関わった。どのボールを買えばいいかに始まり、学校では部活動に入る人が少なかったので、試合の結果や各選手を取り上げた新聞を作って全校で配ったこともあった」と語るなど、参加者らはそれぞれの悩みや課題を共有した。

最後は、議論を通じてそれぞれが考えた「マネージャーの役割」を紙に書き、互いに発表し合った。

「マネージャーのイメージを変えたい」という思い

企画した松浦さんは、野球部のマネージャーとして日々奮闘する傍ら、他のマネージャーが自分たちの仕事をどう思っているのかが気になっていたという。そこで、学校の中で異なる部活動のマネージャー同士が話し合う機会を設定したところ、部活動が違っても、マネージャーが抱えている悩みには共通点があることに気が付いた。そしてその次は、高野連や高体連に許可を取り、県内の高校に呼び掛けて、オンラインで県内版「マネージャーサミット」へと発展させた。

その成果を、3月21日に開かれたカタリバ主催の「全国高校生MY PROJECT AWARD2020」で発表したのをきっかけに、「どうせなら全国に広げてみよう」と思い立ち、SNSなどで呼び掛けて、この全国サミットの実現にこぎ着けた。

「マネージャーは裏方の仕事をするけれど、そのイメージがあまりに強く、部活動の中での立場も弱い。もっとマネージャーが意見をどんどん言って、部活動をみんなにとって居心地のいい場所に変えていかなければいけない。今日はその第一歩」と松浦さん。将来は地域に根差した看護師として働くのが夢で、コーディネートやサポートを考えるマネージャーの仕事は役立つはずだと胸を張る。

3年生の最後の夏の大会まで、残すところ3カ月あまり。松浦さんは自分の後継者となるマネージャーのスカウトや、次回サミットの準備に向けて余念がない。「部活動が終わった後からでも参加できるように、次回は夜の時間に開催したいと思っている。スポーツ心理学や栄養学、けがの応急措置などを学びたいという声もあった。そういう情報も発信できるように、ホームページもつくりたい」と構想を語った。

全国マネージャーサミットに関する問い合わせは、同校のフォームで受け付けている。

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