【GIGA到来】授業中の端末利用に制限65.9% 教育新聞調査

GIGAスクール構想の本格始動を踏まえ、教育新聞が教員を対象に実施した学校現場の1人1台端末環境に関するウェブアンケートによると、小中学校などの教員357人の65.9%が、授業中の端末利用で何らかの制限があると回答した。このうち「かなり制限がある」「ほとんど利用できない」との回答も合わせて20.5%あり、端末は整備されたものの、厳しい利用制限がネックとなり、教員が意図した使い方ができないケースが相当数あるという学校現場の実態が浮かび上がってきた。また児童生徒の端末の持ち帰りについて、44.5%が「許可する・する予定」と回答。一方で「許可していない・しない予定」との回答も38.7%あった。文科省は持ち帰りによる家庭学習などでの活用を促しているが、学校現場によって対応が大きく分かれる結果となった。

グラフ1:授業中に、必要な機能を制限なく使えるか(小中学校教員)

授業中などに必要な機能を、必要な時に制限なく使うことができるかを尋ねたところ、「制限なく利用できる」との回答は20.2%にとどまった。何らかの制限があると回答したのは計65.9%に上り、このうち45.4%が「少し制限がある」、17.1%が「かなり制限がある」と回答。「ほとんど利用できない」との回答も3.4%あった=グラフ1参照

グラフ2:授業中の端末使用制限がある理由(小中学校教員)

何らかの制限があると答えた回答者に、その理由を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「教員への研修、周知ができていない」で、54.0%に上った=グラフ2参照。続いて▽アプリ・ソフトに機能制限がある 48.5%▽十分な通信速度が確保できない 37.4%▽児童生徒への端末取り扱いについて指導ができていない 35.7%▽トラブル発生時の対処方針が決まっていない 33.6%▽保護者への周知ができていない 26%――となった。

こうした結果から、授業で必要な機能が端末に備わっていても、多くの学校現場でハード面、ソフト面ともに準備が追い付かず、実際には十分に利活用できないという現状が読み取れた。行政や学校管理職の許可が得にくいという回答も16.6%あった。

グラフ3:児童生徒の端末持ち帰りを許可するか(小中学校教員)

また端末の持ち帰りについては、「許可する・する予定」44.5%、「許可していない・しない予定」38.7%の回答があった=グラフ3参照。持ち帰りを認めないとした回答者にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「使用ルールが確立していないから」(59.4%)と、「紛失・破損の恐れがあるから」(57.2%)の2項目が過半数を占め、具体的な運用方法に関して頭を悩ませる教員が相当数いる実態が示された=グラフ4参照

グラフ4:児童生徒の端末持ち帰りを禁止する理由(小中学校教員)

続いて多かったのは、▽通信環境が確保できないから 32.6%▽不適切なウェブサイトにアクセスする恐れがあるから 30.4%▽不適切なアプリ(ゲームなど)を使う恐れがあるから 26.8%――など。「保護者の理解が得られないから」という回答も13.8%を占め、家庭との連携に苦慮する教員が一定数いることがうかがえた。また、「その他」の自由回答欄では、教委の許可が得られないという意見が目立った。

端末の持ち帰りについて、文科省は、保護者の理解や通信費負担などに配慮した上で、各教委が判断することとしている。ただ萩生田光一文科相は今年2月の閣議後会見で「持ち帰りを前提に有効活用してもらいたい」と発言。併せて、同省が都道府県・政令市に向けて発出した3月12日の通知でも「非常時における児童生徒の学びの保障の観点からも、端末を持ち帰り、自宅等での学習においてもICTを活用することは有効である」と記載している。

今回のウェブアンケートは今年4月1日(木)~7日(水)に、教育新聞の購読者のほか、教育新聞の公式SNSなどで回答を募り、全国の小学校・中学校・義務教育学校・高校・中等教育学校・特別支援学校の教諭・学校管理職456人から回答を得た。

アンケート回答者の基本属性は次の通り。

【学校種】小学校46.3%、中学校24.8%、義務教育学校0.4%、高校19.3%、中等教育学校3.5%、特別支援学校5.3%、その他0.4%
【学校設置者】国立2.6%、公立86.6%、私立10.7%
【職位】教諭89.5%、学校管理職10.5%
【学校所在地】北海道5.5%、東北5.5%、北関東3.7%、東京都内16.9%、南関東20.0%、甲信越3.5%、北陸1.3%、東海11.8%、近畿14.7%、中国5.3%、四国1.5%、九州・沖縄10.3%
【性別】男性57.2%、女性39.7%、その他・答えたくない3.1%
【年代】20代22.8%、30代34.2%、40代24.6%、50代16.0%、60歳以上2.4%
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