【GIGA到来】ICT活用の壁は同僚の教諭? 教育新聞調査

本格始動するGIGAスクール構想を巡り、教育新聞が教員を対象に実施した学校現場の1人1台端末環境に関するウェブアンケートによると、小・中・高などの教員456人のうち、自校の校長がICT活用に「積極的である」と回答した人は37.5%に上った一方、職場の同僚である教諭については17.8%にとどまり、校長よりも実際に授業を担う教諭の中に、ICT活用を前向きに捉えていない人が多いという学校現場の実態が浮かび上がった。また、新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害などで再び休校になった場合、54.4%がオンライン授業に対応できると回答。校長がICT活用に積極的だと回答した人ほど、他と比べてオンライン授業への自信が見られる結果となった。

グラフ1:学校関係者のICT活用への態度

アンケートでは、校長や教諭、児童生徒、保護者など、回答者が所属する学校関係者が、ICT活用に積極的かどうか、それぞれ質問した=グラフ1参照

積極的な姿勢(「積極的」または「まあ積極的」)の割合は、校長とその他の学校管理職でそれぞれ70.0%を占め、リーダーシップを発揮している学校管理職が相当数いることがうかがえた。

学習の当事者である児童生徒についても、積極的な姿勢の割合は69.5%(「積極的」34.0%、「まあ積極的」35.5%)と高かった。

一方、回答者にとって同僚となる教諭を見てみると、積極的な姿勢の割合は61.4%(「積極的である」17.8%、「まあ積極的である」43.6%」)と、管理職と比べ若干低い傾向にあった。とりわけ「積極的である」の割合は校長と比べ約20ポイント低かった。積極的な姿勢を見せる教諭が、校長など学校管理職よりも少ない結果となった理由ははっきり分からないが、実際に授業を担う上でのやりづらさやハードルを感じているなどの事情もあるのかもしれない。

また保護者については「どちらとも言えない」が50.4%と最多を占め、保護者の理解やコミュニケーションの促進が課題となっていることがうかがえた。積極的な姿勢の割合も43.8%(「積極的」10.7%、「まあ積極的」33.1%)にとどまり、今回のアンケートで質問した関係者の中では、最も低い結果となった。

グラフ2:休校を迫られた場合のオンライン授業への自信

アンケートではまた、新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害などで、再び休校になった場合、オンライン授業に対応できるかどうかを尋ねた=グラフ2参照。結果は▽十分にできると思う 16.2%▽まあできると思う 38.2%▽どちらとも言えない 22.6%▽あまりできないと思う 15.4%▽ほとんどできないと思う 7.7%。

昨年12月に教育新聞が実施したアンケートの同じ設問と比べると「ほとんどできないと思う」が低下したものの、その他の項目では大きな変化は見られなかった。昨年12月のアンケートは対象者に教育行政職が含まれているという違いはあるが、オンライン授業への自信は、依然として二分していることが分かる。

国立教育政策研究所(国研)が今年2月に開催したシンポジウムでは、学校でのオンライン授業の導入やICT活用が進むかどうかは、校長のリーダーシップの有無に左右されるという研究結果が報告された。

グラフ3:休校を迫られた場合のオンライン授業への自信(校長の態度別)

そこで今回のアンケートでも、休校を迫られた場合にオンライン授業で対応できるかどうかの自信を、校長がICT活用に積極的かどうかで分析。すると、校長の態度が積極的であると答えた人は、非常時のオンライン授業が「十分にできると思う」と回答した割合が高くなり、国研が報告した研究結果と同様の傾向が示された=グラフ3参照

グラフ4:ICT活用の情報源

また、端末を使った授業実践で、参考にする情報源を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「校内研修・勉強会」で65.4%に上った=グラフ4参照

次いで▽書籍 46.5%▽行政・教委の研修・勉強会 46.1%▽SNS 44.1%▽新聞・雑誌(電子版含む)・ウェブメディア 43.2%▽民間事業者の研修・勉強会 42.1%――など、多岐にわたる結果となった。現場の教員が所属校にとどまらず、新しい情報を求めて学校外やオンラインを駆使し、技術の研さんに努めている実態が垣間見えた。

今回のウェブアンケートは今年4月1日(木)~7日(水)に、教育新聞の購読者のほか、教育新聞の公式SNSなどで回答を募り、全国の小学校・中学校・義務教育学校・高校・中等教育学校・特別支援学校の教諭・学校管理職456人から回答を得た。

アンケート回答者の基本属性は次の通り。

【学校種】小学校46.3%、中学校24.8%、義務教育学校0.4%、高校19.3%、中等教育学校3.5%、特別支援学校5.3%、その他0.4%
【学校設置者】国立2.6%、公立86.6%、私立10.7%
【職位】教諭89.5%、学校管理職10.5%
【学校所在地】北海道5.5%、東北5.5%、北関東3.7%、東京都内16.9%、南関東20.0%、甲信越3.5%、北陸1.3%、東海11.8%、近畿14.7%、中国5.3%、四国1.5%、九州・沖縄10.3%
【性別】男性57.2%、女性39.7%、その他・答えたくない3.1%
【年代】20代22.8%、30代34.2%、40代24.6%、50代16.0%、60歳以上2.4%
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