中高生の2%がヤングケアラーと自覚 厚労省が実態調査

自分自身が学校に通いながら家族の介護などを担っている「ヤングケアラー」だと自覚している中高生が2%程度いることが4月12日、厚労省が実施した実態調査で明らかとなった。定時制高校や通信制高校でヤングケアラーの生徒が多い実態も浮き彫りとなった。

「自分がヤングケアラーに当てはまるか」に関する回答割合

調査結果は、同日に開催されたヤングケアラーの支援策を議論している、厚労省と文科省の連携プロジェクトチーム(PT)の第2回会合で示された。それによると、自分自身がヤングケアラーに「当てはまる」と答えたのは▽中学2年生 1.8%▽全日制高校2年生 2.3%▽定時制高校2年生相当 4.6%▽通信制高校生 7.2%。「分からない」という回答は▽中学2年生 12.5%▽全日制高校2年生 16.3%▽定時制高校2年生相当 26.8%▽通信制高校生 16.9%――だった。

世話をしている家族が「いる」と回答した生徒は▽中学2年生 5.7%▽全日制高校2年生 4.1%▽定時制高校2年生相当 8.5%▽通信制高校生 11.0%――で、それらの生徒に、世話のためにやりたいけれどできていないことを複数回答で尋ねたところ、中学2年生では「特にない」が58.0%で最も高かったものの、「自分の時間が取れない」(20.1%)や「宿題をする時間や勉強する時間が取れない」(16.0%)などの声も少なからずあった。全日制高校2年生や定時制高校2年生相当でも同様の傾向だった。

世話の頻度は、世話をする家族によって違いはあるものの「ほぼ毎日」が3~6割程度で、平日1日のうち世話に費やす時間は「3時間未満」が多いが、「7時間以上」も1割程度あった。

ヤングケアラーの認知度では、いずれの校種・学年も8割以上の生徒が「聞いたことはない」と回答した。

学校ごとのヤングケアラーの生徒の把握状況

また、学校を対象にした調査で、ヤングケアラーに該当する子供の有無を聞いたところ「いる」と答えた割合は▽中学校 46.6%▽全日制高校 49.8%▽定時制高校 70.4%▽通信制高校 60.0%――と、回答した学校数が少ないものの、高校では定時制や通信制でヤングケアラーがいる割合が高かった。具体的なケアの内容では、「障害や病気のある家族に代わり、家事をしている」「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」のほか、「家族の通訳をしている」「病気の家族の看病をしている」などもあった。

ヤングケアラーが「いる」と答えた学校に、子供を外部の支援につないだケースがあるかを複数回答で聞いたところ、全日制高校では「外部の支援にはつないでいない(学校内で対応している)」が62.9%と、他より高い割合となった。

この結果について、PTの共同議長を務める山本博司厚労副大臣は「1日何時間も家族のケアをしているようなヤングケアラー本人の、成長や教育への影響が非常に心配だ。しかも本人にヤングケアラーであるという自覚がない方も多く、子供らしい生活を送れず、誰にも相談できずに、日々一人で耐えていることを想像すると胸が締め付けられる思いだ。これまで厚労省としてこのような調査を実施してこなかったことや、ヤングケアラーに着目した対策を打ってこなかったことが悔やまれてならない」と重く受け止めた。

生徒への調査は、中学2年生、全日制高校2年生、定時制高校2年生相当、通信制高校の生徒に対して、インターネットで実施。学校対象の調査は、全て公立校を対象とし、中学校と全日制高校は全体の1割程度を抽出、定時制高校と通信制高校は、各都道府県から1校を抽出してアンケートを配布した。両調査は通信制高校に関するものを除き、昨年12月に実施。定時制高校と通信制高校に関する調査結果はサンプル数が少ないため、参考値となっている。

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