スクリーニングの活用を調査 SCやSSWとの連携に効果

子供の貧困問題や虐待の疑われる事案の対応で課題となっている、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)と教員との連携体制について、大阪府立大学の山野則子教授はこのほど、文科省のいじめ対策・不登校支援等推進事業の一環として行った調査研究の報告書をまとめた。客観的なデータと複数の人の見方を踏まえて、気になる子供をピックアップし、適切な対応や支援策を決定するスクリーニングを行うことで、教員の負担を増やすことなく、SCやSSWによる効果的な支援につなげられることが示された。

山野教授らは昨年8~10月に、33自治体の協力を得て小中学校の教員に調査を実施。その結果、学校の教育相談体制や教員による子供の課題への対応、SC、SSWによる教員援助、校長の変革的リーダーシップ、教育相談活動の5つの因子全てで、SCやSSWの配置とスクリーニング会議の併用がプラスの影響をもたらしていた。特に、学校でスクリーニング会議を設けていると、子供の課題への対応策として、地域資源や専門機関を活用しようとする認識が高められていることが分かった。

また、山野教授が開発したスクリーニングシート(YOSS)を学校で活用している小中学校の教職員に、昨年10~11月に調査を行ったところ、YOSSを活用するようになると、子供や保護者が抱えているさまざまな問題に対して、教員が気に掛けるようになるだけでなく、教員が意見したり、自分以外の教員や専門職の意見を聞いたりして、納得した上で具体的な対応策を決定できるようになった。その一方で、教員の負担が増える傾向は見られなかった。

こうした結果について山野教授は「やったことがない教員にとって、スクリーニング会議は負担に感じるかもしれないが、実際には負担を増やすことなく専門職や地域との連携が取れるようになり、チーム学校としての力を強化することにもつながっている」と話す。


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