「高くて共通テスト諦めた」 困窮受験生への支援求める

「私には高くて、大学入学共通テストを諦めました」――。困窮家庭への学習支援などを行うNPO法人キッズドアは4月13日、同NPOが支援する生活困窮世帯の大学受験生と、その保護者に対するアンケート結果を報告した。コロナ禍による家計の急変で受験する大学数を減らすなど、厳しい実態が明らかになったことを踏まえ、共通テスト受験料の支援などの要望書をまとめたほか、困窮家庭の生徒にとって特に狭き門である医学部など、医療系職種を目指す高校生に無料の学習支援を行うと発表した。

アンケート結果を報告するキッズドアの渡辺理事長(左)と、SBCメディカルグループの相川代表

アンケートは同団体が昨年10月に支給した「2020年受験サポート奨学金」の対象者のうち、受験を今年終えた高校3年生とその保護者を対象として、今年2~3月に実施した。回答したのは生徒119人、保護者193人。回答した生徒の進路は77%が進学、14%が浪人、6%が就職、3%が未定となっている。

進学が無事決まった生徒から喜びの声が届いた一方、受験料を節約するために一般入試を諦め学校推薦型選抜や総合型選抜に切り替える、確実に合格できるよう志望校のレベルを下げる、受験する大学数を減らすなどの対応を迫られた受験生も少なくなかったことが、今回のアンケートで明らかになった。

進学が決まった生徒91人のうち6割近くが「受験する大学の数を減らした」と回答しており、実際に受験した学校数も「1校」が7割を占めた。コロナ禍では図書館や自習室が使えなくなり、家庭に自室がないなどの場合に勉強する場所を失ったり、休校期間中に予備校に通える友達との間に格差を感じたりといった実態もあった。

さらに受験に失敗した生徒からは「塾などのプロのアドバイスがない中、多様化した受験方法に、作戦をうまく練れずに苦戦した」「高校を卒業すると相談する場所もない」との声が上がり、同NPOの渡辺由美子理事長は「出身高校がフォローをするなど、親子を孤立させない仕組みが必要」と訴えた。

同NPOが取りまとめた要望書には▽共通テスト受験料の無償化や、困窮家庭向けの受験のための公的支援充実▽児童手当の高校生までの延長▽コロナ氷河期・コロナ引きこもりを出さないための浪人生への支援▽オンライン環境の整備と、家庭以外の学習場所の確保――が盛り込まれ、今後、与野党の議員などに対し申し入れを行うとしている。

同NPOはまた、困窮家庭の生徒にとって特に狭き門である医学部など、医療系大学・専門学校を目指す高校生に無料学習支援を行うことを発表。経済的事情で塾に通えない高校生・浪人生(計70人)に対し、自習室やオンラインコースを設けて学習支援を行うほか、湘南美容クリニックを展開するSBCメディカルグループと連携し、現役医師・看護師との交流会を設けてモチベーションの維持につなげる。

このコースでは4月17、18日のオンライン説明会を皮切りに、4月末までエントリーを受け付ける。5月にオンライン面接による選考を行い、6月より学習支援を開始する予定。

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