食費節約に「生理の貧困」も 会見で学生への支援訴え

労働団体や生協などでつくる労働者福祉中央協議会は4月12日、文科省で記者会見を開き、コロナ禍で学費の納入や生活費の工面に苦しむ学生が増えていると訴えた。多くの学生が食費を節約しているほか、生理用品が買えない「生理の貧困」問題も深刻化しているとして、今年度前期の学費の延納や分納、減免といった対応や、国による奨学金の拡充など、学生への支援が必要だと強調した。

学生への支援を訴える労働者福祉中央協議会の会見

記者会見した同協議会の神津里季生会長や大内裕和中京大教授によると、コロナ禍の中、これまではアルバイトの労働条件に関するものが多かった学生からの相談内容が大きく変わり、特に昨年夏以降は、保護者の失職による収入減など深刻な相談が増えてきたという。

文科省の調査では昨年4~12月の大学(短大も含む)の中退者は2万8647人で、全体的には前年同期を下回っているものの、コロナ禍の影響で1367人が中退したとして、大内教授は「オンライン授業で実家に戻り、生活費が節約できたことなどで総数は減少しても、コロナ禍の中退が確実に生まれているのは大きな問題だ」と指摘した。

さらに、多くの学生が支出の中で食費を切り詰めていることや、同団体の地方組織による食料支援活動では予想を上回る学生が集まっていること、生理用品が買えずに学校を休む学生がいる「生理の貧困」問題も深刻化しているなど、学生生活がひっ迫していると強調した。

大内教授によると、年度替わりにあたり、入学金が払えないといった声や、国立大学の授業料減免基準年収の引き下げで補助が受けられなくなったという声も寄せられているという。

こうした状況を踏まえて同協議会は今月8日、文科相に、文科省から各大学などに今年度前期の学費の延納や分納、減免に柔軟に対応するよう周知徹底するとともに、奨学金の拡充や、大学が独自に授業料減免などを行う場合に経費を支援するなど、国の支援を要請した。

神津会長は「日本の社会は若い人が安心して勉学に打ち込める仕組みになっておらず、コロナ禍でその脆弱(ぜいじゃく)さが露わになっている。新学期を迎える時期に入ってもコロナの感染は続いており、由々しき状況だということを訴えたい」と強調した。


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