変異株に一層警戒も「一斉休校は考えず」 文科相会見

新型コロナウイルスの変異株による感染が大阪や東京で拡大している中、萩生田光一文科相は4月16日、閣議後の記者会見で、「子供への感染拡大に一層の警戒が必要」と指摘する一方、自治体単位による学校の一斉休校については「休校を前提にすることは考えていない。子供たちに二次的に与える影響も考えていかなければならないので、できる限り学校はしっかり授業を続けていくことを前提にしたい」と述べ、政府のまん延防止等重点措置が適用される地域でも学校教育が継続されるべきだとの考えを改めて強調した。

変異株の流行について対応を説明する萩生田文科相

変異株と子供への感染について、萩生田文科相は「厚労省によれば、子供たちが感染しやすいというのではなく、どの年齢であっても、非常に感染力が強いという報告を受けている。子供の罹患(りかん)率が低いとされていた従来の株に比べると、変異株の流行に対しては、子供への感染拡大に一層の警戒が必要なことはその通り。文科省としても、新しい情報を受け止めながら、対応には全体的に心配をしている」と現状認識を示した。

その上で、「休校を前提にすることは考えていない」として、児童生徒に陽性が確認された場合は▽濃厚接触者を確認する▽陽性となった子供は一定期間、3日から5日程度を休ませて様子を見る▽それでも感染が収まらない場合には、学級閉鎖を行う▽その先には学年閉鎖--という判断のステップを改めて説明。「自治体丸ごとの休校は、(感染者が急増している)大阪も考えてないと思う。子供たちに二次的に与える影響も考えていかなければならないので、できる限り学校はしっかり授業を続けていくことを前提にしたい」と述べた。

さらに自治体単位の一斉休校については「学校の設置者が判断するものだが、地域一斉の臨時休校は学びの保障や子供たちの心身への影響、また子供を持つ医療従事者が仕事を休まざるを得なくなることなどの観点を考慮する必要がある。そのため、真に必要な場合に限定して慎重に判断すべきだと思っている」と指摘し、一斉休校の判断はできるだけ回避するよう改めて自治体に促した。

また、大阪府が感染不安から登校しない児童生徒にはオンラインなどによる学習支援を行うと決めたことについて、「行きたくない人は学校に行かなくていいみたいな、間違った報道を受けてしまっている人がいる」と指摘。「この措置は、大阪府のように、感染経路の分からない患者が急激に増えている地域で、感染の可能性が高まっていると保護者が考えるに至る合理的な理由があると校長が判断した場合に、指導要録上を欠席扱いとしないということが前提になっている」と説明し、大阪府の決定は文科省が2月19日付で通知した「持続的な学校運営のためのガイドライン」の改訂版で示した出欠席の特例を踏まえた措置だとの見方を示した。

大阪府は4月14日の新型コロナウイルス対策本部会議で、まん延防止等重点措置が適用される5月5日まで、学校で通常形態の授業を続ける一方、感染拡大に不安を感じ、登校しない児童生徒には、オンラインなどによる学習支援を行う方針を示した。部活動の原則中止や、修学旅行の中止または延期も決めている。

一方、変異株による感染拡大を受け、日本医師会の中川俊男会長が「学校の休校も検討必要」との見解を示したとする一部の報道について、萩生田文科相は「確認したところ、学校だけを取り出した話ではなかった。政府の専門家会議と意見の違いがあると、国民に間違ったメッセージを与えるので、報道の在り方も含めて慎重な発信をしていきたい」と説明。変異株の流行について「子供がかかりやすいという傾向が科学的に確認されたわけではない。しかしやっぱり子供も感染するんだということで、緊張感を持って対応を続けていきたい」と述べ、学校における感染症対策を徹底しながら、授業など学校活動を継続していく考えを改めて示した。

あなたへのお薦め

 
特集