学校雇用シェアリンクの成立3件 雇用事例では成果も

コロナ禍で社員の雇用の維持に苦慮する企業と、外部人材を求めている学校をつなぐ文科省の「学校雇用シェアリンク」について、実際に雇用にまでつながったケースは、文科省が把握している限り3件あったことが4月19日、教育新聞の取材で分かった。一時は約1600人の求人が寄せられたが、ニーズがなかなか合致せず、マッチングが難しい現状がある一方で、実際に雇用に至ったケースでは成果もみられた。

文科省が作成した学校雇用シェアリンクのリーフレット

同省によると、シェアリンクを活用して実際に雇用が成立した3件のうち2件は、すでに契約が終了している。同省では2月9日時点で、シェアリンクに約130社が登録し、学校や教育委員会などからの求人数も1597人に上るとしていたが、実際に雇用につながったのは3件だった。

文科省の担当者は「文科省が把握していないケースもあるかもしれないが、実際に採用するとなると、マッチングが難しく、これくらいの数字になる」と説明する。

鳥取県三朝町では、小学校で欠員の出ていたスクール・サポート・スタッフとして、今年1~3月に地元温泉旅館の従業員を1人採用。校舎の消毒作業をメインにほぼ毎日、4時間程度の業務を行った。町教委の担当者は「本人が希望すれば継続するつもりだったが、元の職場に戻る見通しがついたために3月で契約を終えた。一生懸命に働いていただけ、学校からも好評だった。結果的にシェアリンクは活用してよかったと思う」と話す。

また、埼玉県北本市では、4月からICT支援員として1人をシェアリンクで採用。GIGAスクール構想による1人1台の学習者用コンピューターの効果的な活用について、教員向けの研修や、市内の小中学校への巡回支援をしてもらう予定だという。

東京都中野区にある実践学園中学・高等学校では、1月以降、シェアリンクで求人を出してきたものの、なかなか採用には至らなかった。それでも、中学2年生以上の希望者を対象とした春期講習の一環で募集したところ、Vチューバ―やプログラマーが講師に採用され、VR(仮想現実)やプログラミングを体験する特別講座が実現し、生徒からも好評だったという。

同校の広瀬享矢(たかし)副校長は「求人に対して多くの募集があったが、学校や教育に関心が高く、現状を変えていこうという意識を持った人と、単なる雇用を飛び越えてつながることができたと思う。雇用の側面を強調するのではなく、学校が新しい学びをやる上で、外部の人材とつながるチャンスとして捉えれば、間違いなくプラスになる」と手応えを語る。


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