【#教師のバトン】新年度の準備時間ない 若手教員が実情語る

ツイッター上で文科省が始めた「#教師のバトン」プロジェクトで、学校現場の深刻な労働環境が語られ、社会的な注目を集めるようになったのを受けて、内田良名古屋大学准教授らは4月18日、現職の教員が匿名で登壇するオンラインイベントを開催した。教員らは学校の働き方改革が進まない現状を報告。中には新年度が始まる4月1日から始業式までの準備時間が、あまりにも足りないと訴える声も上がった。

教員の声を直接拾うオンラインイベントの開催趣旨を話す内田准教授(Zoomで取材)

同イベントの開催に当たり、内田准教授らがインターネット上でウェブアンケートを実施したところ、300人超から回答があり、「直接発言できる」という教員も多くいたという。この日のイベントでは、小学校と中学校の若手教員8人が匿名で出演し、勤務の実情や「#教師のバトン」プロジェクトへの期待を話した。

ある小学校の教員は、年度が切り替わる4月1日から始業式までに実質4日間しか準備日数がなく、会議や入学式の準備などの時間を差し引くと、学級開きや新学年の授業の準備に費やせる時間がほとんどないため、多くの教員が平日遅くまで学校に残り、土日も出勤している実態を説明。「始業式までの期間を長くするか、人を増やし、仕事量を減らす、行事を見直すといったことをしてほしい」と話した。

また、別の小学校の教員も「職員室の席の移動や新しい教室への荷物運び、校務分掌の引き継ぎ、各学年の仕事の分担など、4月1日からしかできない新年度の準備もある。さらにそれができてから、クラスや学年の仕事を何とか終わらせ、新学年の学年だよりを作ったり、下駄箱に名前シールを貼ったりと、細かい仕事がきりのないほどある。とても時間が足りない。4月1日から始業式までの準備日数を、せめて5日は確保してほしい」と改善を求めた。

さらに中学校の教員の一人は、勤務校では教員の欠員が発生しており、ぎりぎりの状態で回していると打ち明け、「中学校の教員は授業以外にも、担任、部活動、他の業務が重なり、休みも取れない。教員の仕事は素晴らしいが、今のままでは若い人にバトンを渡せない」と、深刻な現状を訴えた。

参加者の話を受け内田准教授は「『#教師のバトン』プロジェクトに出てくる話はどれも特定の学校に限ったものではなく、あちこちの学校で起こっていることだ。企画した当初は誰も直接話をしてくれる教員がいないかもしれないとも思ったが、結果的にたくさんの教員が話をしてもいいと言ってくれた。それだけ多くの教員が危機感を覚えているということだ」と指摘。声を上げ続けていくことの重要性を強調した。


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