【GIGA到来】子供の視力低下防ぐ対策は 文科省で懇談会

GIGAスクール構想によるデジタル端末の使用が増えることで、児童生徒の視力低下が懸念されているのを受け、眼科医や学校関係者などが対応策を話し合う懇談会が4月19日、文科省で開かれた。会合では、「連続して画面を見続けないような対応が必要」「学校と家庭でしっかり連携したい」といった意見が出され、文科省が専門家の意見や今後の調査結果を踏まえて、具体的な対応策などについて学校現場に発信していくことになった。

子供の目を守るための意見が交わされた文科省の懇談会

開かれたのは「デジタル時代の子供達の目の健康等に関する懇談会」。日本眼科医会や日本医師会など医療の専門家をはじめ、全国連合小学校長会と全日本中学校長会、それに日本PTA全国協議会の代表ら12人が、オンライン参加も含め出席した。

冒頭、萩生田光一文科相が「視力低下の傾向は以前から見られるが、学校のICT化の進展に伴い、子供たちの目が一層悪くなることがないよう、最新の医学的知見に基づく対応が極めて重要だ。新たな知見が得られれば、速やかに学校関係者に伝えたい」と協力を呼び掛けた。

日本眼科医会の柏井真理子常任理事は、同会が目の健康の大切さを子供らや保護者に呼び掛けようと、ウェブサイトで公開している啓発マンガ『ギガっこ デジたん!』を取り上げ、▽デジタル端末を使うときは、目と画面の間を30センチ以上離すこと▽30分画面を見た後は、20秒以上遠くを見て目を休めること▽近視の進行抑制によいとされる屋外での活動を推奨する――など、学校現場や保護者に気を付けてほしい点などについて説明。「特に近視は幼稚園から低学年くらいで進むと、止まることなく進んでしまうので、小さいお子さんのためにこうした分かりやすいリーフレットを活用してほしい」と呼び掛けた。

この後の会合は非公開で行われ、文科省健康教育・食育課の三木忠一課長によると、眼科医など医療現場の関係者から「連続して近くを見ることが悪いので、画面だけでなく黒板も見るようにするといいのではないか」と意見が出されたほか、学校関係者やPTA関係者からは「学校と家庭の協働が大事なので、家庭内でルールが徹底されるようにしっかり連携したい」などと意見が出されたという。

こうした声を受けて萩生田文科相は「なるべく遠くを見ましょうといっても、黒板なのか窓の外なのか、学校現場で戸惑う面もあるのではないか。どんな工夫ができるか、具体的に示せるものは文科省としても追加で発信していきたい」と述べた。

同省が毎年行っている学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の児童生徒の割合は、2019年度は小学生34.57%、中学生57.47%、高校生67.64%に上り、40年前(1979年度)の小学生17.91%、中学生35.19%、高校生53.02%と比べると、いずれも大きく増え、特に小学生ではほぼ2倍となった。GIGAスクール構想によりデジタル端末の使用が増えることで、こうした視力低下に拍車がかからないか懸念する声が高まっている。

これを受け、同省は今年度、全国約9000人の小中学生を対象に、通常の視力検査とは別に、特殊な機器を使った近視の詳しい検査とライフスタイルの関連を調査する。来年度も同じ子供たちを対象に継続して検査を続け、視力の変化などをフォローしていく方針。
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