フレキシブルで広い学習空間必要 文科省の検討部会で議論

これからの教育に対応した学校施設の在り方を議論している、文科省の「新しい時代の学校施設検討部会」は4月20日、第2回会合をオンラインで開き、多様な活動に応じた教室など学習空間の条件について、委員らからヒアリングを行った。GIGAスクール構想による1人1台端末の活用や感染防止対策、個別最適な学びなど、一斉授業ではない学習形態の展開を踏まえると、既存の教室は狭く、オープンスペースなどによるフレキシブルで広いスペースの確保が課題に挙がった。

旧JIS規格の教室用机の、ICT活用時の支障の実態

この日の会合で文科省が示した資料によると、公立小中学校の普通教室の国庫補助基準は74平方メートルであるものの、実際の平均面積は64平方メートルで、7割の教室が65平方メートル未満となっている。

また、新JIS規格である幅650ミリ、奥行450ミリの机を導入している小中学校は半数程度で、旧JIS規格の幅600ミリ、奥行400ミリの机を使用している場合、約8割の学校で教科書などを広げるスペースがなく、ICT端末を落とす恐れがあるなど、授業に支障があると答えていた。

仮に64平方メートルの教室に、必要な家具や機材に加えて新JIS規格の机を配置した場合、最低1メートルの身体的距離を確保しようとすると40人学級は実現不可能となる。

こうした課題を念頭に会合では、茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校の毛利靖校長が、先進的なICT教育を実施している同校での授業について発表。ICTや学校内のスペースをうまく活用して、各教科でどのような学びが展開されているかを紹介した。

毛利校長は「昨年12月から1人1台環境になり、一見すると一斉授業のように見えるが、実際はグループや個別での学びをやっていることも多い。ダイナミックな学習には多目的ホールを活用し、デジタル教科書は日常的に使っている。大型提示装置は必須だ。タブレットが利用できる大型の机は、合わせるとグループで使える広いテーブルになる。不登校やコロナで不安な子供たちのために、個室のような空間もあるとよい」と提案した。

千葉工業大学の倉斗(くらかず)綾子准教授は、教室と廊下の壁をなくすなどして多目的に利用できる空間を設けた、学校のオープンスペースの利活用について報告し、オープンスペースには隣のクラスに音が漏れやすいなどの課題もある一方、アクティブ・ラーニングや個別最適な学びをする上では、こうした教室に隣接した多目的な空間の活用が効果的であるとも指摘。

オンライン授業とリアルな教室での学びを対比し、「オンライン授業は、決められたカリキュラムやプログラムをこなしていくには非常に良い。それに対して実空間には、授業の間に生じる余白や雑談、予定外の出来事の失敗や偶然からの学びがある。そうした実空間の価値を考えて、これからの学校建築を考えていかないといけない」と強調した。

検討部会では今後、既存の施設の改修事例も含めた学校の視察を行う方針。


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