共通テストの英語4技能試験は「困難」 入試検討会議

文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」は4月20 日、第25回会合を開き、主に英語4技能の評価の在り方について議論した。大学入学共通テストへの導入については「現状ではスピーキングとライティングの試験は到底無理だ」など、困難との意見が相次いだ。一方で、大学に入ってから学生が主体的に英語を学ぶ上で、国や産業界が在学中に身に付けるべき英語力などを示すことが有効だとの見方も示された。

会合はオンラインで開かれ、座長代理を務める川嶋太津夫委員(大阪大学高等教育・入試研究開発センター長)が、これまでの各委員からの意見を「英語4技能の総合的育成・評価のあり方について」とするメモにまとめて提示。この中で、共通テストでの4技能試験の開発可能性について、「中長期的には国・大学入試センターに試験の開発・支援を要望する」との意見があった一方、「採点のブレや自己採点との不一致等、記述式同様の問題が生じ、実施が困難」などと慎重な意見も出されたことを説明した。

これを踏まえて各委員が改めて意見を述べ、末冨芳委員(日大文理学部教授)は「共通テストでの活用は、指摘された課題が解決できる見通しがなく反対であり、スピーキングとライティングを実施することも現実的でないので反対の立場だ。リーディングとリスニングを中心としつつ、他の2つの能力の基礎を評価する方向で改善を図っていくことが望ましいのではないか」と意見を述べた。

また、斎木尚子委員(東大公共政策大学院客員教授)も「共通テストの枠組みでスピーキングなどの導入は、現時点で困難と考える。出題の工夫の中でスピーキングやライティングを測れるなら推し進めることも重要と思う」と述べるなど、共通テストへの4技能試験の導入は困難との指摘が相次いだ。

一方、高校や大学での英語教育の充実を巡り、「国が産業界と協力して、大学在学中に身に付けておくべき英語力や、就職時に求められる英語力の基準について考え方を明らかにし、大学の主体的な取り組みを促すことも検討に値する」とのまとめ案に対しては、賛同する声が相次いだ。

両角亜希子委員(東大大学院教育学研究科准教授)は「国や産業界が高等教育を議論していくのは、すごくいいと思う。学生も社会に出てどんな英語力が必要か分かれば、主体的に勉強に取り組む。入試で何か変えるという発想より、こうした点が大事だと思う」と述べた。


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