【GIGA到来】コロナ禍の遠隔授業 平時の準備で自信に差

新型コロナウイルスの急激な拡大を受け、大阪市の松井一郎市長が緊急事態宣言下でオンライン授業を行う考えを示すなど、学びの保障のための1人1台端末の活用に期待が高まっている。教育新聞が小中学校などの教員を対象に実施したウェブアンケートでは、端末の持ち帰りを認めている学校の教員ほど、非常時にもオンライン授業に対応できると答えた割合が高く、平時から持ち帰りの運用に慣れておくことが、非常時の対応にも重要であることが示唆された=グラフ1参照

グラフ1:非常時のオンライン授業への自信・端末持ち帰りの方針別(n=30未満は参考値)

ただ、学校で端末の持ち帰りを許可している教員であっても、オンライン授業への対応に自信のない教員が4割弱、持ち帰りを許可していない教員では半数超に上った。GIGAスクール端末の整備状況(4月1日時点)別にみると、すでに授業で日常的に端末を活用している教員と、端末が整備されたばかりなどそれ以外の教員では、非常時のオンライン授業が「十分にできると思う」と答えた割合に大きな差がついた=グラフ2参照

グラフ2:非常時のオンライン授業への自信・端末活用の状況(4月1日時点)別(n=30未満は参考値)

教室での端末活用と比べると、オンライン授業では直接的なフォローがしづらい上、良好な通信環境などのインフラ整備や、効果的な授業のノウハウが求められる面もある。GIGAスクール端末が整備されたばかりで、教室での端末活用もままならない状況では、非常時のオンライン授業へのハードルをなおさら高く感じるケースもありそうだ。

端末の持ち帰りについては「許可している・する予定」と回答した教員が44.5%となった一方、運用ルール作りの難しさや破損・紛失などのリスクから「許可していない・しない予定」との回答も38.7%に上った(それ以外の16.8%は「わからない」と回答)。学校種別に見ると、今回の調査対象者では、中学校と比べて小学校で「許可している・する予定」の割合が高かった=グラフ3参照

グラフ3:端末持ち帰りの方針・学校種別(n=30未満は参考値)

とはいえ学校だけでなく、教育委員会の方針により持ち帰りが制限されているという声も寄せられている。「教育委員会で持ち帰り禁止とされている」(北海道/公立小教諭・40代)、「当初、学校が先に持ち帰りをお願いしても教育委員会は渋っていたが、上からの指導で手のひらを返して持ち帰りを推進しはじめた。すると今度は、持ち帰らせることを目的としはじめた。子供不在で指導する学校の思いが優先されない」(九州・沖縄/公立小管理職・50代)と、学校での方針決定に苦慮する実態も見られた。

文科省は感染症や災害などで子供たちが登校できないような非常時には、学びの保障の手段として、オンラインを活用した家庭学習を認めている。また「平常時から非常時を想定した備えをしておくことが重要である」として、端末やルーターの貸し出し・持ち帰りを積極的に行い、家庭などからの接続を試行しておくことも求めている。

今回のウェブアンケートは4月1日から6日の間に実施。教育新聞の購読者のほか、教育新聞の公式SNSなどで回答を募り、全国の小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校の教諭・学校管理職357人から回答を得た。


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