35人学級、GIGA、外部人材など効果検証求める 財政審

小学校で35人学級への移行が進められる中、財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)の財政制度分科会は4月21日の会合で、少人数学級について「認知能力(学力)のほか、非認知能力、いじめ・暴力、不登校などへの影響を含む教育効果」に関する専門的な実証研究を通して、効果を検証することを改めて求めた。また、GIGAスクール構想で整備される1人1台端末や、部活動などでの外部人材の活用についても、効果検証の必要性を指摘した。

今年3月に成立した改正義務標準法では、学力や教育活動に与える影響について実証的な研究を行うことが附則に盛り込まれた。萩生田光一文科相は法案審議の過程で「トータルで子供たちのためになっているか、子供たちの笑顔が増えているかも含めて、大きな視点から評価をしていただくことが大事だ」と強調し、少人数学級の効果を幅広く検証する意向を示していた。

財政審の分科会は今回、「認知能力(学力)のほか、非認知能力、いじめ・暴力、不登校などへの影響を含む教育効果について、先行研究も踏まえ、専門家による実証研究を行う必要」があると指摘。「数値化が困難な定性的な効果についても、主観的評価にとどまらず、エビデンスに基づき客観的分析を行うべき」としたほか、「代替手段の費用対効果との比較を行うことも重要」とした。

また全国学力・学習状況調査について、効果検証に使えるよう「学術的な知見を踏まえた調査に改善すべき」として、同一児童生徒の変化を継続的に把握できるよう調査を設計している埼玉県の例を挙げた。

また、GIGAスクール構想による1人1台端末の活用が始まっていることを踏まえ、「AIドリル、宿題・テストのデジタル化、学習動画の活用などは、児童生徒に個別最適化した質の高い教育を提供するとともに、授業効率がアップし、教員の負担軽減にもつながる」と分析した上で、こうしたICT化が学力などに与える効果に関するエビデンスを積み重ねつつ、施策を進めていく必要があるとした。

会合ではこうしたエビデンスの例として、全国知事会が昨年12月から今年2月の3カ月間、6都道府県の公立高校8校で1年生を対象に、AIドリル「キュビナ」を利用するクラスと利用しないクラスで、学力向上に違いが出るかを検証した事例を紹介。この検証では、ICTとAIドリルの導入には生徒の学力を高める効果があり、困窮世帯の生徒で特に効果が大きいという結果が出た。

財政審の分科会では他にも、教員の負担感が大きい部活動について、休日の部活動を早期に地域に移行するとともに、平日についても地域移行を進めるべきだとした。一方、今年度予算で学習指導員、スクール・サポート・スタッフ、部活動指導員など外部人材の予算人員が約3万1000人となったことについて、「児童生徒数が減少傾向の中、3年前と比較し2倍以上に増加」と問題視し、「適正な配置の在り方を含めた効果検証が必要」と求めた。


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