【GIGA到来】「先生追い込まないで」 ICT議連が懸念

教育のICT活用を推進する国会議員が超党派で参加する「教育における情報通信(ICT)利活用促進をめざす議員連盟(ICT議連)」は4月23日、2021年第2回総会を開き、文科省・経産省・総務省の担当者らとともに、GIGAスクール構想の進捗(しんちょく)について議論した。昨年度までに大半の自治体で端末整備が完了したものの、参加した議員やアドバイザーからは、活用が十分に進んでいない実態が指摘された。ただ同時に学校現場の負担を考慮し、時間をかけてICTの良さを実感できる環境を作るべきだとの声も聞かれた。

参議院議員会館で、対面とオンラインを組み合わせて開催された第2回総会(Zoomで取材)

元教員の斉藤嘉隆参院議員(立憲)は「現場でいろいろ話を聞いているが、率直に申し上げてちょっと危ない。使われない。棚に置きっぱなしで、ほぼ一度も出されていない学校もある」と危機感をあらわにし、「試行錯誤しながら試してやっていきましょう、という考え方そのものが今の現場では無理。ICT支援員やスクールサポーターも、実際にはそれほどいない」と、学校現場の負担を説明。

「もちろんやれているところはすごい。聞いてみると、どこかの業者に市町ごと丸投げして、その業者が人の配置も、初期設定から何から何までやってくれている、先生たちは言われるがまま使って、そこから発展していくというパターンの市町が多い。一つの参考にはなる気がする」と、学校が負担を抱え込まないことの重要性を示唆した。

有識者アドバイザーの陰山英男・基礎力財団理事長・陰山ラボ代表は「現場の負担がものすごく大きくなっている。1年かけて使えるようにするぐらいの気持ちで、情報発信をする必要がある」と強調。

「(端末が)倉庫に積み上がっているという話があったが、倉庫から出して個々のコンピューターにナンバーを振る、シールを貼るということも、現場の教職員の仕事になっている。年度初めの学級担任の作業をしながらになるので、こうなるのはむしろ当たり前。使用状況の調査も、今はご勘弁をいただきたい。5月が終わったぐらい(の時期)でよいのではないか」と述べた。

ICT議連の会長を務める遠藤利明衆院議員(自民)は、コロナ禍で端末整備が前倒しで進んだことに触れ、「数年かけて、そのうちにいろいろな取り決めをして、『こういう授業がいいよね』と(いう検討を進めながら)普及するのだろうと、当初そう思っていたが、一気にタブレットが(入った)。ここで心配なのは『面倒ならやらない方がいい、タブレットを使ったICT教育は難しいし、いやだよ』という現場が出てくることだ」と話した。

また陰山氏の発言に触れ、「『1年ぐらいかけて考えよう』という気持ちがないと、先生を追い込んでしまって、かえって『ICT教育がいやだ、楽しくない』となってしまう。私はそんな懸念を今、少し感じている。学校のICT教育が進むことは大事だが、そのためには大半の先生が「良い」「楽しい」と思える環境をどう作っていくかだ。ある面急ぎながらも、ある面慌てずにやっていかないと、かえってこの教育は進まなくなる」と認識を述べた。


ニュースをもっと読む >