中高生の体力わずかに低下 コロナ禍の部活動制限が影響か

スポーツ庁は4月23日、2020年度の「体力・運動能力調査」の速報値を発表した。中高生(12~17歳)の体力テストの合計点が前年度よりわずかに低い結果となり、分析にあたった専門家は「コロナ禍で調査数が少なかったことから単純比較はできないが、部活動などを制限した影響があったと考えられる」との見方を示した。また、小学生を除くとほとんどの世代の合計点が、前年度よりわずかに低かった。スポーツ庁は「今回はデータ数が少ないためコロナ禍の影響を評価することは難しいが、次回以降の調査で分析していくことが必要」としている。

20年度の体力テストは、コロナ禍で例年より1~4カ月遅く、昨年6月から11月にかけて行われ、握力や上体起こし、反復横とびなど8種目の結果を点数化した。ただし、コロナ禍で多くの都道府県で調査が行われず、全種目の調査人数が8431人と前年度の15%にとどまっていることから、スポーツ庁は例年との正確な比較は難しく、参考値として公表したとしている。

新体力テストの合計点(男子)

調査結果によると、体力テストの合計点の平均値は、小学生男子は6歳が32.67点(前年度30.65点)、8歳が45.00点(同44.71点)、11歳が60.40点(同61.29点)。小学生女子は6歳が31.37点(同30.78点)、8歳が46.53点(同44.50点)、11歳が61.72点(同62.72点)――などとなり、男女とも6歳から10歳までは前年度よりやや高かったが、11歳のみ低かった。

一方、中学生男子は13歳で44.49点(同45.07点)、中学生女子は13歳で51.05点(同53.45点)、高校生男子は16歳で53.10点(同55.46点)、高校生女子は16歳で52.24点(同53.27点)となり、中高生全体では14歳男子を除いて、いずれも前年度よりわずかに低かった。

新体力テストの合計点(女子)

小学6年生(11歳)から中高生(12~17歳)にかけて全体的に前年度を下回ったことについて、分析にあたった順天堂大学の鈴木宏哉先任准教授は「テスト項目でいうと、20メートルシャトルランや上体起こしなど、持久力が求められる項目で点数が低い傾向がうかがえる。コロナ禍の影響は運動生理学的にも持久力に表れやすく、小学6年生はスポーツ少年団、中高生は部活動が制限されたことが影響したとも考えられる」と指摘した。

小学生の合計点が6年生を除き前年度よりやや高かったことについて、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科の内藤久士教授は「調査時期が例年より遅かったため、その間の発達の影響が反映された可能性もある」との見方を示した。

一方、成人については、ほとんどの年齢で男女とも前年度よりわずかに低い結果となった。内藤教授は「コロナ禍でのライフスタイルの変化による運動習慣や生活習慣への影響が、体力テストに反映されると一般的には考えられるが、今回は運動習慣と体力テスト結果もクロス集計もしておらず、調査データから短絡的に結び付けることは難しい」と話している。

スポーツ庁は、コロナ禍の国民の体力・運動能力への影響については、今年度以降の調査で引き続き分析する方針で、今回の調査結果も踏まえ、学校の部活動休止をはじめテレワークの拡大、運動施設の使用制限など、年齢層ごとの課題に応じた対応の推進や、子供の運動機会の確保、スポーツ団体への支援を進めていくことにしている。


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